強みを生かすマネジメント

人が資本と言われる時代、マネージャーは何を考えて事業の現場を率いていけばいいのでしょう…

強みを生かすマネジメント

人が資本と言われる時代、マネージャーは何を考えて事業の現場を率いていけばいいのでしょう?哲学好きな清内(せいうち)先輩と新人マネージャーの竜野(たつの)ちゃんがマネジメントについてあれこれ考えます

最近の記事

  • 固定された記事

【目次】マネジメント

はじめに 〜哲学好きな先輩・清内より〜  国内IT業界で仕事をしてきて、ずっとマネジメントの重要性を実感しています。この業界は、他と比べて早いタイミングでマネジメントの役割を担うことが多いように思います。早ければ20代中盤でチームを担当することになり、20代後半では本格的なマネジメント責任を負う人も少なくない。30代前半では間接マネジメントを行うような部長・本部長職に就いたり、30代中盤で経営に関わる人もいます。また、ビジネスモデル的に個人の活躍が業績に影響しやすいという点

    • メタ認知力を高めるために、1日を3回生きる

       マネジメントにおいてメタ認知は何より重要です。マネジメントは人を動かすために、自分が何を言うのかではなく、相手に何が伝わるのかを考えます。常に相手の心象風景をイメージし、そこに影響するために自身の言動を最適化します。今回はメタ認知力を高める方法について考えます。 メタ認知力  メタ認知とは、自分の言動を客観的に認知し、制御すること。自分の振る舞いを、上空からもう一人の自分が見ているようなそんなイメージです。  人によってはストレートに伝えることが行動を起こしてもらう最

      • 歴史に残る教会をつくり世界平和を祈る

        レンガ積みの童話  レンガ積み職人が登場する童話があります。同じようにレンガを積んでいる3人の職人に「何をしているのですか?」という質問をすると、3人それぞれ違う答えが返ってきます。ある人は今日のレンガ積みのノルマに愚痴を言い、ある人はレンガを積む仕事で家族を養っていると言い、またある人は歴史に残る教会をつくることを誇らしげに語るのです。  この童話は、私たちの日々の仕事をレンガ積みに例え、目的や意義の捉え方によって仕事のやりがいが変わることを教えてくれます。  3人

        • 【第3章】ぼくらの勝ちパターン 〜独自のカルチャー〜

           第1章では、メンバーに対するポジティブフィードバックによって関係の質を高め、主体性を引き出すことで確率論的に結果を生み出す方法を考えました。  第2章では、個人の達成意欲を組織の達成に繋げるためのキーマンとしてのマネージャーの役割を見てきました。目標逆引き思考によってメンバーの活動量を担保し、個性を生かすマネジメントによって、組織の目標を達成していきます。  第3章では、これらのマネージャーの関わり方を組織の文化へと昇華し、浸透させていく方法について考えていきます。 高

        • 固定された記事

          人事評価の仕組み

           前回のnoteで、メンバーポテンシャルに応じた目標を設定し、評価で報いる話をしました。そこで、今回は人事評価の仕組みについて考えてみます。 人事評価制度  人事評価制度とは、メンバーの組織内における役割を明確にし、そのパフォーマンスを公平に評価し、報酬に反映する仕組みです。グレード、評価、報酬の3つのポイントがバランスすることで、制度が運用されます。  グレードは、年功・職務・職能・成果などの軸によって定められ、例えば、日本の古い会社は年功序列的なものが多かったと思いま

          チームで目標を達成するアベンジャーズ

           マネージャーは、チームの目標達成を自分ごと化し、高い視座からメンバー全員のWill Can Mustと向き合う存在です。今回は、そんなマネージャーの役割について、チーム目標達成のためにメンバーと向き合う具体的な方法を考えてみたいと思います。 定量的なポートフォリオマネジメント  例えば、3人のメンバーで月間3,000万円の売上目標を持つチームがあるとします。このとき個人の売上目標はどのように設定されるのが適切でしょうか?単純にチーム目標3,000万を3人で割って、一人1

          チームで目標を達成するアベンジャーズ

          目標を自分ごと化して、仕事のやりがいを手にする

           これまでのnoteでは目標達成について考えてきました。目標を逆引きで考えることで確実に達成する方法、日々のアクションにまで因数分解することで日常を変えていく、努力を継続するためのTIPSなど。  仕事の現場において私たちは、組織から役割と目標を設定され、それを達成していくために努力します。今回は、この目標設定のあり方について考えてみます。 目標の自分ごと化  キャリアデザインのWill Can Mustというものがあります。Willは、個人が仕事を通じて実現したいこと

          目標を自分ごと化して、仕事のやりがいを手にする

          大きな目標と小さな目標の逆引き思考

          ムーンショット  事業において目標を目指していく場合、まずは現在地から目標に向けて歩みを進めていくという、積み上げ的な思考(フォワードキャスティング)になると思います。しかし積み上げ思考は、前進していきますが、一定期間を経たときに、確実に目標に到達しているかはわかりません。目標を越える結果となるかもしれないし、到達できないかもしれません。  そこで、目標逆引き思考(バックキャスティング)の登場です。目標と現在地の差分を算出し、与えられた期間で均等割りすることで、1日にどれ

          大きな目標と小さな目標の逆引き思考

          目標逆引き思考が達成の再現性を高める

          努力の天才  私たちは日常業務において目標設定をし、その達成率を管理しています。そうした取り組みの結果、目標達成をする人と、未達成に終わる人がいます。仕事においては、そうした結果を踏まえ、努力を継続することが重要です。人は繰り返し行動することで、経験が蓄積し、思考が効率化していきます。そうした学習が成果に結びついていくのです。  イチローは自身を努力して結果を出す天才だと言います。「GRIT」においても、成功者の共通項は生まれ持った才能ではなく、情熱と粘り強さをもってや

          目標逆引き思考が達成の再現性を高める

          【第2章】目標達成ステップ

           第1章では、多様な人材の主体性を引き出すための向き合い方を考えてきました。ポジティブフィードバックによって、3大ポジティブ(自己重要感・自己肯定感・自己効力感)を高め、組織の「関係の質」を向上することで、メンバーの主体性を引き出し、事業の「結果の質」を高めていきます。  しかし、実際の事業の現場では個人の主体性を高めて、あとは成果を待つだけといういわけにはいきません。組織の目標を個人の目標に因数分解し、月次で目標の達成率を管理し、確実に予算を達成していくことが求められます

          【第2章】目標達成ステップ

          自分ならできる気がする!そんな自己効力感が道を切り開く

          自己効力感とは  自己効力感(セルフエフィカシー)とは、目標を達成するための能力を自分が持っていると認識すること。「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える状態のことを言います。行動心理学の権威・バンデューラによって提唱されました。 自己効力感を高める4つのポイント  自己効力感を高めるには、4つのポイントがあります。まず、1つめは「成功体験」です。小さな成功体験を積み重ねることで、自信がつき、次のチャレンジに向けて自分ならできるという気持ちになれることは誰しも

          自分ならできる気がする!そんな自己効力感が道を切り開く

          自己肯定感でレジリエンスを高め、事業の荒波を乗り越えていく

          自己肯定感とは  自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、その自分に価値があると感じられること。仕事のみならず、生きていく上で大事なお話ですねー。自己肯定感が高いと、ポジティブで、主体的に行動でき、失敗を恐れずにチャレンジすることができます。ぜひとも高めたいポイントです。  自己肯定感は、「自己受容」と「自己価値」によってもたらされます。ありのままの自分を受け入れることを「自己受容」といい、その自分自身に価値を見出すことを「自己価値」と言います。    自己受容は、

          自己肯定感でレジリエンスを高め、事業の荒波を乗り越えていく

          自己重要感 〜人を動かす唯一の方法〜

           カーネギーは、「人を動かす唯一の方法は、相手の自己重要感を満たすこと」と言いました。「自己重要感」とは、自分自身を重要な存在として認める自己認識のことです。どうすれば、相手の自己重要感を満たすことができるのでしょう? 自己重要感を満たす方法  1つめは、ポジティブフィードバックです。相手が重要な存在であることを認める言動を行います。人は他者に認められたいと思っており、認められることで自信を持ち、相手に対して好意的になる生き物です。まずは相手を認めることで、こちらも認めて

          自己重要感 〜人を動かす唯一の方法〜

          人は感情の生き物、感情と向き合うが大事

           ポジティブな感情は前向きな思考を生み、主体的な行動に繋がる。ネガティブな感情は後ろ向きな思考を生み、不本意な行動にも繋がりかねない。だからこそ、私たちは、お互いがポジティブでいるために関係の質を高めることが重要です。 人間は感情の生き物  どんなに正論であったとしても、嫌なものは嫌だと感じてしまう経験を誰しもしたことがあると思います。ビジネスの成果や、それに至る行動の背景には、ポジティブな思考、そのための感情が必要になります。まさにメンタルや思考をコントロールすることが

          人は感情の生き物、感情と向き合うが大事

          【第1章】やる気スイッチで主体性を引き出す

          人が資本の時代  2023年、世界の時価総額TOP5のうち4社がApple、マイクロソフト、Google、アマゾンとなっています。長らくGAFAMの躍進が世界を席巻し、私たちはPC1つで世界中にサービスを生み出し得るITビジネスのインパクトを目の当たりにしています。更には、クラウドベースでビッグデータが活用され、生成AIを誰もが利用できるようになり、世はまさに第3次産業革命の真っ只中にあります。  こうした中、企業価値の源泉は有形資本から無形資本へとシフトしており、特

          【第1章】やる気スイッチで主体性を引き出す

          ポジティブフィードバックを極める

           組織で個人が活躍するためには、組織の中に居場所があり、自他共に重要な存在だと認められることから始まります。そうした自己重要感を高めるポジティブなコミュニケーションが組織内の人間関係においてはとても重要です。  人は褒められたり、良い評価をされるとドーパミンが分泌され、快の感情を抱き、それを再現したくなります。メンバーの良い行動に対して、ポジティブフィードバックを行うことで、組織内を良い行動で満たしていくことができます。また賞賛や承認は、メンバーの自信に繋がり、積極的な行動を

          ポジティブフィードバックを極める