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golchiki
2025/02/20(木)僕の唯一の関心事。『なぜその仕事に就こうと思ったのか』
普段、赤の他人に全く興味がない僕は唯一、
『なぜその仕事に就こうと思ったのか』
については関心がある。
惰性や妥協で行きついた仕事。夢だった憧れの職業。金回りを軸に選んだ業界。エトセトラ。
職業は人生の大部分を占めるものであり、その人の思考や生き様が、顕著に表れるものだと言えるだろう。
ここ数日、僕は自動車教習所に毎日通っている。
自動車運転免許の獲得を目指す若造の助手席に座り、的確な指導を提供するインストラクターの先生方は、一体どのような想いでこのお仕事に着任されたのだろうか。
先生と雑談を交わす暇もなく進行する講習の数々。
踏み込んだ話をする機会は窺えず、アクセルとブレーキペダルを踏み込むに留まった。
そんなある日、同時並行で進めなければならない『交通安全』についての学科授業に取り組んでいたのだが、その動画の終盤に差し掛かった頃、一際講師の方から言葉に熱を感じる場面があった。
形相に雰囲気。そんなものまでもが一瞬にしてピリつく感覚。
授業は上の空だったにも関わらず、その時ばかりは「今から何を話すのだろう」と画面を凝視して耳を傾けた。
どうやらその先生は、学生時代に叔父を交通事故で亡くした過去があるらしい。
どれほど安全運転や交通ルールを順守することが大切なのか。命の尊さとその儚さとは、どういったものなのか。
言葉のひとつひとつに感情と想いが乗り、説得力と本気度が増して心を打つものがあった。
その先生が教習所の講師に着任した理由。
僕は勝手ながら、
『死亡事故が起こってたまるかよ。こんな悲しみがあってはならない。自分が一人前のドライバーを育ててみせる』
なんて思ったのがキッカケだったのかと推測した。
様々な思想や情熱を背景に日々業務に勤しむ社会人。
あなたはなぜ、その仕事に就こうと思いましたか?