2022年の受験(社会学)_⑦北京大学面接に向けた準備(指導教官の選定)
どうも~
セイタです!!
いよいよ最後の記事ですね!!
この記事では指導教官の選び方について紹介させていただきます。
マガジン全体では、「中国語」「社会学」「統計学」「指導教官の選定」といった4つのテーマで北京大学の受験に向けた準備を書いていきたいと思います。
この記事では、どのように指導教官を選んだのか、またどのように先生方にアプローチしたのかについて書いていきたいと思います。結論としては、自分がいいなと思った先生はコースが違ったり、そもそも返事が返ってこなかったりで、指導教官にはなりませんでした。ただ、今の指導教官の方は自分がやりたい研究内容とかなり相性がよさそうな上に、かなり丁寧な指導をしてくれる先生だそうです。そもそもしっかりと指導教官まで考えていないと面接試験ではじかれていたと思います。
この受験記の概略は下記記事をご参照ください。
自分が受験しようと思った理由については下記記事をご参照ください
2021年の受験期概略については下記記事をご参照ください。
2022年の受験期概略については下記記事をご参照ください。
指導教官の選び方
当たり前ですが指導教官は非常に重要です。大学院生活は基本的に研究を行います。その研究を指導してくる先生が指導教官なのです。
指導教官を選ぶにあたっていくつか押さえておくべきポイントがあります。ざっと並べると、
・先生の専門分野と自らの研究内容の合致
・指導力及び指導に時間をかけてくれるかどうか
・先生の性格
かなりざっくりしてますが、こんな感じかと思います。
この三つでいえば、上から順番に攻めていくのがベストです。なぜならば、上に位置するものほど自分で調べればわかる可能性が高いからです。先生の専門分野なんてネットでググればすぐに出ます。一方、指導力は内部の学生に聞いてみないとわからないと思います。性格に至っては研究室の学生や授業を受けてる学生でない限りわかりません。
※ただ時として、先生の性格が案外一番大事な要素だったりしてしまうのが難しいです、、、
なので当記事では、確実に実施できるであろう、専門分野から指導教官を探すという方法にフォーカスしていきたいと思います。
先生の論文の探し方
まずはネット上から出願している大学にどんな先生がいて、どんな研究をしているのかを検索します。以下北京大学の社会学系を参考に説明させていただきます。
志望している大学名+「社会学」などでググるとだいたい下記のようなサイトが出てきます。そこで、「师资」「师资力量」などの項目を探しましょう。すると、以下のようなページに遷移します。
そのあとは先生を一人一人クリックして、研究内容や経歴をチェックしていきます。
上記画像のように先生の経歴や研究内容がわかります。この先生はインディアナ大学で博士をとっていますね。
あくまで主観ですが、アメリカの大学に行っている先生の方が授業が面白く、研究の質とか高いイメージです。まあ、20年前の中国の大学とかだとまだそこまで研究のレベルとか高くなかったんですかね?
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と思って調べてみたら、2007年のTimes Higher Educaiton Supplementのランクを見てみたら、北京大学が36位でした笑
同年の日本の大学でいえば、東大(17位)、京大(25位)、阪大(46位)、東工(90位)でした。2007年の段階では、まだ日本の大学の方がランキング高いですね。(香港は除く)
こうやってみると、日本の大学かなり凋落しますね。日本と中国が15年で完全に逆転してます。
2023年のTimes Higher Educaitonのランクでいえば中国の大学は以下のようになっています。
一方で日本の大学は以下のようになっています。
東大と京大以外はすでに200位圏外です。一方、中国の大学は200位圏内に10校くらい入っています。いつから日本の大学はグローバルでの競争力を失ったのでしょうか、、、
話が脱線しましたが、先生の経歴を見た後は論文のチェックです。北京大学は素晴らしいことになんと先生の論文をだいたいHPからPDFでダウンロードできるようになっています!!これはかなり助かりました。
なお、ほとんどの大学ではこのように親切に論文のリンクまで貼っていないので、CNKI(中国知网)で探していきましょう!!
大学がCNKIと契約していない場合や社会人からの大学院を目指す場合は、「気になる先生の論文名」+「PDF」の検索ワードで百度にて探していきましょう。論文によっては、下記のように無料でダウンロードできる場合があります。あまり見つかることはありませんが、、、
論文から指導教官の先生の目星のつけ方
自分の研究分野とずばり合致する先生がいた場合は、どんどん論文を読んでいきましょう。あと、所感は必ず書いておいた方がいいです。メモ程度でも構わないので。後々見返したときになぜその先生がよいと思ったかがわからなくなるからです。
また、負荷が大きくなってしまいますが、中国語で所感を残すとその後の面接でもメモした表現がそのまま使えるので後々便利です。僕は指導教官の論文だけ中国語で所感を残してました。
上記のような作業を続けていくとなんとなく、自分の研究内容と合致している先生がわかってきます。ちなみにですが、僕は30以上論文を読んでいます。
僕の場合は研究手法が「定量分析」でテーマが「貧困」「不平等」を扱っている先生を求めていました。そこで二人の先生に目星をつけたのですが、なぜ二人の先生がよいと思ったのかについて簡単に説明させていただきます。
一人目がA先生です。
専門は「貧困」をテーマにしており、研究方向があっていることがわかりました。
次に調査手法として、アンケートデータの回帰分析が多く、自分のやりたい定量分析と合っていました。
また、複雑な統計手法を扱うというよりは、分析の角度やデータの処理の仕方を工夫しているところがよかったです。
もう一人が、B先生です。
この先生は経済系のバックグラウンドを持ち、「労働経済」や「経済社会学」を専門としています。
研究テーマは「教育」「格差」「家庭」をメインテーマとしており、自分の研究テーマとは遠からず近からずといったところでした。
ただ、論文の書き方がものすごくわかりやすかったです。具体的にいえば、論文で証明したい仮説をはっきりと提示してから、分析モデルの説明に入ります。また、論理も明快でした。
ですので、研究手法の点から指導を受けたいと思いました。
先生へのアプローチ
気になった先生がいれば、あとは先生にメールを送るだけです。そこで、聞くことは
・自身の研究内容
・自分の指導教官となってもらえるか?
です。
基本的には、百度でメールのテンプレを探してそれをまねるのがいいかと思います。自分はそうしてメールを作ったものを北京大学の修士の子に添削してもらったところ、文章量が半分くらいになりました。先生は忙しいので、短い文章に越したことはありません。だらだらと自己紹介などはしないようにしましょう。
参考までに自分が作ったメールを紹介させていただきます。
上記のように先生の研究内容のどこに興味を持ったのか、自分がどのような研究をしたいのかを伝えたうえで、自分の指導教官になってもらえるかを確認しましょう。
上記メールをA先生とB先生に11月くらいに送りました。すると、A先生からは返信が来て、「留学生と中国人はテストの方法が違うだけで、それ以外に違いはない。」といった内容のメールをいただきました。書類審査が受かった2月くらいにもう一度メールを送りました。そこで、A先生は自分のコースを担当していないことがわかりました。
B先生からは返信が来なかったです、、、
結論としては、自分がいいなと思った先生は二人とも指導教官にはならなかったのですが、それでも指導教官をさがすために、しっかりとアクションをとることは非常に重要です。
まず、その大学にはどんな先生方がいるのかの理解が深まります。次に、指導教官を検討するうえで、自分の研究の方向性がより鮮明になります。そして、その大学に行くためにしっかりと考えているというアピールにもなります。ですので、しっかりと指導教官の先生を見つけていきましょう!!!
指導教官の選定に関する記事は以上となります。
そして、僕の激闘の2年間の記事もこれで終わりとなります。
ある日突然思い立ち、北京大学を受験したのですが、1年目は暗中模索で挑みましたが、残念な結果に終わってしまいました。
そこで、1年目の失敗を振り返り、合格に向けてできる限りの準備を行い、2年目でなんとか合格することができました。
中国に修士で留学する日本人は欧米の大学ほどメジャーではなく、情報源も非常に限られています。そこで、自分の失敗も成功もすべて赤裸々に書くことで、今後中国で学問をおさめたい人が自分と同じ轍を踏まないようにという思いで記事を書き始めました。それぞれの記事で詳細に書いていった結果、かなりの量となってしまいました。
自画自賛にはなってしまうのですが、情報の鮮度が命の中国留学でここまで詳細かつタイムリーに書かれている記事はないと自負しております。それでも一部抜け漏れている部分はございますが、その場合はコメントいただければと思います。
以上となります。
本記事を読んでいただきありがとうございました。
皆さんが無事第一志望の大学院に合格し、順風満帆な大学院生活を送れることを心からお祈り申し上げます。