「オリ・パラを終えて」
今回ほどオリ・パラを楽しんだことはありません。ある意味、コロナ禍での自粛生活の恩恵のひとつであったかも知れません。
終えてみて素直に思ったことは、どちらかといえばオリンピックは『国の威信をかけた選ばれし特別な存在のアスリートの祭典』でした。
「最年長は72歳 障害と年齢の壁を越えて躍動するパラリンピアン」という記事がありました。
パラリンピックとは『壮絶な困難を乗り越えた人達の祭典』であり、オリンピックに比べ、より平和的で人間的な強さや個性の輝きを映し出す祭典と私の心には映りました。
「足先でボールを投げ上げ、口でラケットをくわえてチャンスにはスマッシュをするエジプトの卓球選手」
「両腕がなく足だけで魚のように泳ぎ、女子100m背泳ぎ銀メダリストになった中学生、競泳の山田選手」
「脳性麻痺による運動障害、握力4kgで正確無比なボールを投げ、初のボッチャ金メダリストになった杉村選手」
・・・中でも私の心を強く打ったのは視覚障害(T12)陸上男子100メートルで世界記録を出した金メダリストの言葉です。
『銃弾が飛び交う内戦から飢餓に至るまで多くのことを経験してきたが、この場で最高の一人になれた』
そして、
『道端で物乞いをしていた私がここまで来られた。私は信じ続けていた。自分は何だって成し遂げることはできる・・・と』
パラリンピックとは
【何があっても、何だって成し遂げると信じ続けた人達】
による祭典に違いありません。
競技や選手村の運営にあたったボランティアの皆さんの活躍も選手や報道陣によって世界に好意的に発信されました。オリ・パラの開催については様々な意見がありました。今私はやってもらって良かったと思っています。
次はフランスのパリで開催されます。引き継がれるパリオリンピックのプレゼン動画を観て「さすが洗練された文化のパリ」と思いました。また、パラリンピックでは同時中継で午後のパリの様子が映し出されました。わざわざマスクを外して喜びを爆発させる人々の様子は
『コロナには絶対負けない、打ち勝つぞ』
というパリっ子達の想いが溢れていました。3年後、パリのオリ・パラが本当に楽しみになりました。
2021年9月7日 鈴木 清