バンデンハーク投手にはアジアの空気がマッチする。異文化適応の強さが強み。ヤクルトとの契約間近。野球の話
バンデンハーク投手には、アジアの空気がぴったり合っていると思う。ソフトバンクから昨年自由契約の憂き目にあったが、日本のみならず、韓国でも大活躍した投手。ヤクルトと契約する話があるが、これにぜひ乗った方が良いと思う。
オランダ出身で、米国のメジャーリーグでもプレーした。しかしメジャーとマイナーを行ったり来たり。「エレベーター」的な野球人生だった。
韓国に移籍して花開く。2013、2014年と三星ライオンズで韓国シリーズ制覇に貢献して、14年には防御率と奪三振のタイトルも手にした。
翌年、ソフトバンクと契約。この年は9勝0敗と「勝率10割」。その勢いは止まらない。翌年も開幕から5連勝して、前シーズンから14連勝をマーク。初登板からの連勝の日本新記録を樹立した。
ホークスでの6年で43勝19敗。勝率6割9分4厘の圧倒的な安定感だ。
ここ2年は、けがに泣いてきたが、まだ35歳。ヤクルトが獲得に動くのも、うなづける。
やはり、オランダ出身というのが大きいのだろう。語学が堪能で、オランダ、ドイツ、スペイン、フランス語などを話せるようだ。だからこそ、異国でのプレーを苦にしないように思える。米国、韓国、そして日本を渡り歩いても、その文化に順応できるのだろう。
文化に適応する。これが異国で生活するうえで、もっとも重要なことに思える。これまで現役メジャーリーガーが鳴り物入りで日本に来ても、1年で帰国なんてことは少なくなかった。異国の文化と合わなかったのかもしれない。
生活だけでなく、野球のプレースタイルにも、その国の文化は色濃く出るだろう。それに適応できるから、日本で6年もプレーできた。
けがを克服できれば、これほど頼りになる選手はいない。バンディにはアジアの空気がマッチしていると思う。
今季、神宮のマウンドで、彼が好投する場面を楽しみにしたい。