『冬がはじまったよ』
11月11日0時22分から今年の冬が始まりました。こちら、群馬県の関東平野の北限の縁では、そんな風が吹いています。もうすこし待てば、11月11日。1時11分になるのだが、風で眠りを妨げられて、起こされしまったのでしかたない。
それが、11月11日0時22分。
「いいいいおにに」と覚えておこう。
「いいいい鬼似」でも「いいいい鬼煮」でもいい。おしいなあ。1分待てば、「いいいい鬼さん」「イイ、イイ、お兄さん」にもなったのにな。
2023年は「ふろにさん」「フロニーさん」とすると洋風、大陸風にもなるな。「浮浪人さん」「風呂兄さん」でもいい。
フロニーさんは、ペルシアあたりで生まれた大陸商人だった。はるばるシルクロードの西から東の果てまで、日本にまで交易にやって来た。フロニーさんは彫りの深い顔をしていた。日本人にとっては天狗や鬼の面妖にみえたのだろう。疎外された、かわいそうなフロニーさん。
2023年11月11日0時22分に冬がはじまった。私のもとに風の便りが来たのだ。「フロニーさんは、いいいい鬼煮」にされて食べられてしまった。そう、覚えてください。
いや、ちがう。もうすこし、考えて見よう。せっかく冬のはじまりに起こされたのだから。
「フロニーさんは、いいいい鬼煮」と呼ばれる身体が暖まるペルシア料理を日本人にふるまいました。日本人たちは見知ら大陸料理に舌鼓をうちます。ペルシアではマトンの肉のことを鬼というのです(嘘)。冬のはじまりに相応しい心あたたかな話を、冬のはじまりの『赤城おろし』に添えて。
2023年11月11日0時22分。
「フロニーさんは、いいいい鬼煮」
昼。深夜書いた文章を読み返して、すこし直した。
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