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詩のほう

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詩のほうを。詩のようなものを。書こうかな、と。
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記事一覧

『自堕落静養日記。十一月十九日』

すがすがしさと、ぬくもりの人。 われわれは、この混迷する世の秋晴れの日に、谷川俊太郎氏を…

せいのほう
2か月前
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『自堕落静養日記。九月十一日』

するりと抜けてゆく 私のこわばった手から 小銭やらなんやらが がらんがらん するりと抜けてゆ…

せいのほう
5か月前
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ゆめの裏口

ゆめの裏口の扉からそっと出たところに 月の表口の扉があります 顔だけだしておそるおそる覗い…

せいのほう
5か月前
18

『なんのようだい』

雨の匂いの思い出などないけれど けれど、なつかしく胸の内から芽吹いている どこのだれだかし…

せいのほう
7か月前
12

『うーあーうー』

うーあーうー。おはようございます。 うーあーうー。腹が減りましたよ。 うーあーうー。ハミガ…

せいのほう
8か月前
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『九十段階の日日』

うまれては 〇 よくそだつ 口 つのはえた 凸 おちついた 口 おとろえた 凹 わすれたり …

せいのほう
9か月前
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『たまに詩い』

たまに詩い たま詩いの たまに詩い たまに強い 「タマニシイ、タマニシイ」 たまにはよい詩い もう、酔わない詩い たまに詩いの たま詩いの たまたま、またまた、詩いの、いのち、すう たまたま、またまた、詩いの、いのち、はく

詩『処方箋』

春いちばんの 夜中の討ち入り 寝ている私の耳にそっと息を吹きかけるようにはなりませんか 春…

20

『スロウカーブ』

夏のカーブ 秋のカーブ 冬のカーブはもうすこしで出口が見えてきた 「カーブの出口には幸せし…

16

『かぜつよ』

「風強」 こんなときには 漢字の服を吹きとばして ひらがなを露出させたい 「かぜ、つよ」 そ…

28

『仮想問題』

そういえば そうそうそう なんだったか なにをわすれたのだったか そんなときがある そんなと…

15

『ざわめき』

私は初詣に行った。 世の理だけでは私は暮らせない。 理路整然とした世の理の外と、通信をした…

15

『こんなふう』

うつむきながら つとめてあかるく こんにちは 夜の、よなかのくらがりの 虚ろな目ではっきり…

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『なにげない絵』