アニッシュ・カプーア「奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」を見に行って感想書いたら久々にバズったことで色々なことが自己整理できたお話。
Xで話題のGYRE galleryのアニッシュ・カプーア「奪われた自由への眼差し_監視社会の未来」展に行ってきました。
結論から言うと女性視点でしか見れなくなったらめっちゃゾワゾワした!面白かった!!
ここから展示についての感想を徒然と。
まず。私自身は無料で柵なしで監視員1人のこの展示は凄いなと思ってしまった。
すごいなあ。同時に血の塊や裂けた切り口に子宮、生理や過血症を連想してしまった。まあだって自分女性だし更年期だし。
特に私、乳癌サバイバーなので尚更「この血が止まらなかったどうしよう」という恐怖感は体感しないとわからんと思うんですよね。
もうずいぶん前なので指摘されるまで思い出せなかったけど出産もそうでした。身体中の血がなくなってしまうのでは、、という恐怖感はね、怖いっすよ。だって身体中の血がなくなるって死ぬってことですよ。
それを体感して自分の意思でどうすることもできないって、想像するだけでも怖くないすか?
「かつての女性は生理の出血が調整可能だった」
という説があるけどそんなの無理ゲーですよ。それにね、今でも生理中の女性を汚れた存在として閉じ込める風習があるんですよ。
そしてね、女性ならあるあると言ってくださると思うのですが出血って終わらない場合もある。つまりここから出れない場合だってある、終わりがいつかわからない。これこそ「天井のない監獄」じゃね!?なんて憤りまで出てきました。
今回の展示のステイトメントではこの女性性に関しての明確な記述はなかったんだけど私の中ではこちらのイメージがダイレクトに来すぎてステイトメントを読んだ時女性の抑圧に結びつけて読んでる自分がいました。
ちなみにこの展示、規模が小さい等の批判がXで炎上したんですよね。確かに写真を拝見すると、大規模展覧会の迫力凄まじい。でもね、私はこの表参道の空間でここまでの感情を出させるキュレーションに私はすごく感動したんです。同時にもっとカプーア知りたくなった。
Xで色々教えて頂けたので翻訳ソフトで読んでみたのですが読めば読むほどカプーア、やばいおじさんでした。
ゾワゾワしっぱなしでしたが同時にこの展示に会えてすごく嬉しくなりました。ああここからまた知りたい!扉が開いたなって。
そんな風に私が感じたのは私が東南アジアに長く滞在していたからかもしれません。東南アジアは予算や治安の関係上、芸術を披露したくても出来ないので複製だけの展覧会とか結構あったんです。
でも芸術を伝えたい、という熱意で出来る手段を最大限に使って展示が開催されてる。それを鑑賞する一般の方が本当に楽しんで観てる。
これって最高じゃないですか?
複製を見た人はその芸術の存在を知る機会を得た。
今回私はカプーアのコンパクトな展示を見て彼のコンセプトを知る機会を得た。
世界が広がったわ感がめっちゃ快感でした。
今回ね、色々厳しい言葉でやりとりしてるのをみて私はなんかすごく悲しかったんですよ。それは私自身が展示側の人の経験がちょっとあったレベルですが「展示を披露するところまで持っていくってすごく大変なこと」って知っていたからかもしれません。
でも経験がなくても想像は出来ると思うのです。
「どんなことでも披露するまで持っていく」ってすごく大事じゃないですか。私はその行為に敬意を表したい。(私自身が主婦だったので行動に敬意を持ってもらえなかったことが多かったからかもしれない)
同時に今回、この展示が血の塊をダイレクトに連想させ、その連想から私自身が体験した出産や病気という大事を連想させた、だから自分も真剣に向き合えたのかもしれません。
あと、子供と一緒に鑑賞することが本当に長かったので、批判的な感情を持ったとしても罵るような言葉は基本使いたくないんです。これはZ世代の息子さんの影響が強いと思われます。
ちなみに最近話題になった「子連れ鑑賞の是非について」も書いたので読んでほしい。
批評性がないって言われてもいい。
おばさんの徘徊記録って言われてもいい。(ある大物に言われたこと今でも根に持ってる🤣)。私は大好きな現代美術において人の心を傷つけるような言葉を残したくないです。まあ無料で見れるってことは提供して下さる側も自由に感想を言ってもいいと許して下さってるといい方に解釈しています。
でも、無料で見れる展示の鑑賞者の8割はこんな感じだと思うのでどうかお許しくださいませ😅。
今回の議論、興味深く拝見していたと同時に「定期的に自分からこういう血の塊出てる人がこの議論の中にいないなあ」と思ったので頑張ってXに書いてみました。
予想以上にバズってびっくりしました。
新たな視点として気に留めてもらえたら嬉しいです。
次の展示も楽しみにしています。また平日にこっそり伺います。
(身の丈をわかってるので内覧会とかは基本行かない。ああいうのはプロの華やかな方が行くべきですからね)
地下のカフェTamituのコーヒー&はちみつ、めっちゃ美味しかったのでこちらもぜひ。