うるさい人は子供だけじゃないのに美術館での子供排除案はなぜ定期的に上がるのか。具体的対策とそれぞれが対策をとるべき理由。
美術館での子供排除はなぜ定期的に上がる理由、それは文化芸術に投資する金がないからですよ。要は金です。
1;美術館で子供の声がうるさいと思う大人がとるべき即効性のある対策
定期的に上がる「美術館に子供を連れて行っていいのか」について子連れ鑑賞を17年続けて来た者として分析と思いをまとめてみました。この件に関しては何回も何回も話題になりますね。私は現状で考える最善の方法はこれです。
排除、ゾーニングに意味はありません。理由は話し声がうるさいのは子供だけとは限らないから。
あたしゃ子連れで17年美術鑑賞をしてきた者です。
森美術館さんには大変お世話になっております。話してる様も2つほど出演させて頂きました。
15年程前、今以上にベビーカーで美術館は目立ちました。
なので自主的住み分けしてました。
土日午後は避ける、平日を狙うなど。そして当時は母子の組み合わせはすごく怒られましたが父子だと指摘はなかったです。今は父子でも指摘があるのだとSNSを見て驚いています。
言葉ってうるさいですよね。気になると。それは認めます。同一言語だと煩く感じる?という仮説も成り立ちます。私は9年間東南アジアに住んで各言語が聞こえる多くのアジアの美術館に行きました。煩い人は子供に限らず煩いし、作品に触る人は老若男女いるんですよね。
私は英語がグダグダ、中国語やマレー語、インドネシア語は
分かりません。英日ネイティブの息子に意見を聞きましたが「子供の声だからうるさいってことはないと思う」だそうです。
そうなると、「子供連れだけゾーニング」しても美術館での騒音問題解決しないことになります。私語禁止日を設けて徹底的に注意くらいしかゾーニングって成立しないことになります。
ではなぜ子供連れ、特に幼児連れは他のお客さんが注意することがあるか。
そしてなぜ彼らは「声を出す乳幼児連れには注意するけど騒ぐ大人の団体に注意しない」のか。
ここを冷静に分析する必要があると思うんですよね。
で、他の鑑賞者はあくまでも鑑賞者でしかないことを再認識しなくてはいけません。子供連れ鑑賞者の声を注意する他の鑑賞者は「美術館博物館は乳幼児連れは来るべきではない」という認識の上での注意ではないでしょうか。でもそれっていう人間違えてる。うるさいってのはそれは鑑賞者が鑑賞者に言うではなく美術館スタッフに言うべきなんですね。だってその場のルールを決めてるのは参加者ではなく主催者だから。
では、なぜ主催者はゾーニングしないのか。それはゾーニングに意味がないから。詳細は後述することにして、続けます。
主催者側がゾーニングしないなら不快と思う人を参加者が避けるしかない。
大人からしたらなんでこっちがと思うかもしれない。ただ15年前と違うのはノイキャンイヤホンの性能向上と普及。セルフ耳栓ですよ。
なのでうるせえと思う声を避けるにはノイキャンイヤホン対策が大人側が今出来る最善方法だと思います。
最近、作品解説をQRコードで聞けること増えましたよね。
ここから「耳栓を促す」っていい解決策だと思うのだけどな。。
2:美術館に子連れで行く際に引率者がとるべき対策(俺はこんなことしてたで)
ここまでは大人の方の対策でした。じゃあ幼児連れは何もしなくていいのかだけど出来ることはあると思います。
うちは「子供が気持ちよく帰る」を最優先してました。具体的にはこんな感じ。
うちの子は美術館、博物館の中で比較的声を出したり走ったりすることをしない子でした。私は幸運であったことは認めます。
あと博物館美術館のカレーが大好きでした。子供にも大人にも本当に美味しいのでオススメです。個人的には国立科学博物館のカレーライス&ハヤシライスは子供には本当に大ヒットだと思う。(今は特別展に準じるみたいだけど)
そういう楽しみを楽しみって認識してくれたのはとてもありがたかった。
3:でも分かり合えない人もいる
それでも15年程前には「ベビーカーが美術館にいることそのものがおかしい。あなたは親として間違ってる、公園に行きなさい」って直接言われたこともありました。鑑賞ブログをやってた時に「美術館に子連れが増えたのはこういうブログがあるからだ、迷惑だ」ってコメントされたこともありました(もちろん公開前削除🤣)。
この子供と美術館の主張ってお互い絶対分かり合えないと思うんです。
分かり合えないんだから自衛しながら改善しながら、自分がやりたいことにStep by Stepで進めていくしかないと思うのです。「(俺の主張が正しいんだから)俺の話を聞け」だけだと永遠に妥協点は見つからない。そして時間は止まらない。過ぎてからでは遅いんです。
4:美術館側はできることやってると思う
ベビーカーを日本の美術館博物館で制限するのはその美術館の動線とスタッフ配置によって変わると思います。日本の美術館、博物館の静けさはよく来る層の「ここは子供が来る場所じゃない」認識からでしょうね。
子供の声だけじゃなくスタッフのツアーですら「うるさい」ってクレーム入ることもあるくらいですから。
ここ数年、美術館側は基本子供は敬遠してないと私は思います。
「子供が来るとうるさい」というリピート層と
「子供と一緒に見たい」という層
の間で試行錯誤してるのが現状ではないでしょうか。
そしてリピート層の方が数が多いから現状では静けさを優先するしかない。
でもうるさいのって子供だけじゃない。うるさい大人の団体だっていますよね。なぜそこにはクレームが行かないのか。
大人の団体は「リピート層」と重なる可能性があるからだと思います。
人数分お金を出してくれる層の意向は美術館側も大事にしなきゃです。
だから騒音に関しては子供連れが標的になりやすいのだと私は分析しています。
ではどうすべきか。それは
要は金ですよ。金。
金が回って資金があれば美術館だって色々な対応だってできるんですよ。
具体的には金を取れる層から取る。これしかないと思うます。
美術館で警備員に注意されたことがあるっていう声も聞きます。これはおそらくその警備員が子供が愚図ったことで他の客からクレームを受けた経験があったのだと思う。私、国内外での鑑賞多いけど歓迎の時もそうでない時もありました。
その時、その場ににいる人の思考、そしてその人のアクションで注意するかどうか、判断が変わるのが現場。だからその場を見てどう振る舞うか、自分で判断することが重要なんだと思います。
すげー難しいけど。
でも、でも、15年以上前に比べたら本当にそれぞれの立場の皆様、
工夫を感じます。事態は良い方向に向かってると思います。
だから、だから、文化芸術にもっと資金が回るようにしてほしい。
何のためにこれ作ったんだろう?っていうものを見るのってすごく面白いですよ。そこから発見できること、沢山ある。そしてその発見は生きる面白みになる。
誰もが余裕がなくなってる昨今だからこそ何なのこれ?っていう面白みが必要ですよ。だってそれが文化ってもんでしょう。そう思いませんか?