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すごいぞ! 「倉敷考古館」

すごいぞ! 「倉敷考古館」

 倉敷の美観地区を歩いていると、ひと際目を引くのが、有名な大原美術館の真向かいに建つ「倉敷考古館」だ。まるで大原美術館に対抗するかのように、重厚な佇まいで歴史の息吹を感じさせる。小さな橋を渡ると、その先に古い蔵を改装した建物が現れる。3か月前に訪れたばかりなのに、再び足を運んでしまったのは、その魅力に引き寄せられたからだ。
 首を反らせて蔵の大きさを下から見上げる。そして、振り返り大原美術館を横目に捉えると、自然と顔がほころぶ。
 数段の石段を上がり、重厚な木製の扉を開けると、館内からひんやりとした空気が流れ出し、夏の暑さを忘れさせるほどの心地よさが体を包み込む。

 とにかく、この倉敷考古館はすごいのだ!

「何がすごいのかって?」

 その答えは、玄関を入ってすぐ、左手の階段を上がった瞬間に明らかになる。
 縄文時代、弥生時代、古墳時代の各時代の土器が階ごとに展示され、まるでタイムトリップをしているかのように、古代の文化が手に取るように感じられる。
 しかも、これらの貴重な土器は、ガラスケースに収められることなく、まるで時空を越えて展示棚から飛び出してきたかのように、すぐ手の届きそうな距離で展示されている。

 その距離感がたまらない!

 土器から漂う古代の香りを感じられるほど近づき、土器の内側まで顔を寄せて、じっくりと観察することができるのだ!
 もちろん、土器に直接手を触れることは厳禁だが、その息遣いまで伝わってくるほどの距離感で、土器の持つ歴史の重みを肌で感じることができるのは、この倉敷考古館ならではだろう。

 多くの博物館では、土器がガラスの向こう側に隔離され、遠くからしか見ることができない。しかし、ここでは土器が指先わずか1センチの距離にあるのだ。この圧倒的な近さが、展示物との一体感を生み出している。

 ぜひ岡山県倉敷市にある倉敷考古館に訪れ、この感動を味わってほしい。きっと、古代と現代が交錯する不思議な体験が待っているはずだ。

 さらに、岡山が地震災害の少ない地域であることも、この博物館の魅力の一つだ。だからこそ、これほどの近距離で土器を鑑賞することが可能なのだろう。

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