父と
父から電話がありました。
心臓の手術をすると…
私は激しく動揺した。
私は小学になる頃に、父に理不尽な暴力を受けたことを今でも忘れてない。
当時は、逃げようもなかったのだけど…
小さな時の鎖が、大人になっても外れなくて、高校時代まで続くパワハラに悩んだ。
教師とい生き物のせいか、自分の子供はこうあるべきだという思いがあったのか…
それにしても可愛がられた妹との差は母の目から見ても歴然だった。
父に抱きしめられた記憶もない。
唯一、保育園の帰り道に父と見た夕日が良い思い出。
今でも夕日を見ると切なくなる。
こんな私でも生まれた瞬間はきっと祝福されたんだとも思う。
家を出た私に父から
"18日に心臓の手術がある"と…
仕事が新事業所の起ちあげで、責任のある立場である私は父のところに行くことはできない。
そしてコロナの影響で病院に行くことも物理的に無理なのはわかっている。
父の弱気な声に
"仕事頑張れ"と"来なくていい"
そう言われて、"行かない"と答える私が冷たい人間に思えて仕方ない…
ただ祈るしかないよ。
あんなに拒んだ父なのに。
今朝、"またね"とひとことだけ電話で伝えた。
父は黙っていたけど。
これでよかったのか…
この選択が正しいかどうか…
私が元気でいることがお見舞いだと信じて。
次に父と会う時は大好きなビールでもプレゼントしたいところだけど…心臓が悪いから無理か…
父に後悔させたい思いで仕事に頑張ってきたのかもしれない。
とにかく、今…私が元気な姿を見せたいと思う。