『弟の誕生日ケーキが最高に激ダサだった理由』の話。
我が家には伝説的に天然な母がいる。
パンツの詰め放題で突き指をして病院に寄って帰って来たり、岩風呂で泳いで膝をすりむいたり、突き当たりを真っ直ぐ!という謎の道案内をしたりする世の中を明るくするタイプの人種である(笑)
そんな母が絶対に譲らない事がある。
それは、家族の誕生日や記念日に、必ずホールケーキを買って来て、ロウソクを立てて歌を熱唱し、みんなで一緒に食べる一連の流れ。
娘と息子が思春期真っ只中であれ、母には一切関係なし(笑)
そして父はいつも母に全乗っかり(笑)
私も弟もhappy birthday to you〜♪と父と母に熱唱される環境で育った。
欲しい物とか、ご褒美的ないわゆる誕生日プレゼントと呼ばれる品物は、産まれてから一度も両親から貰った事はない。
誕生日の本質を見事に貫いている。
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6月25日は、弟の誕生日であったと同時に、父の12時間に及ぶ大きな手術の日でもあった。
早朝から始まり、予定していたよりも3時間伸び難航した手術が終わったのは、21時前頃だった。
麻酔で眠る父に一目会い、病院を後にするも、当然この時間に開いているケーキ屋さんは無い。
さてどうする?!
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誕生日である本人が、今年はもういいと言う向かい側で、当然引き下がらない母(笑)
母の言い分はこうだ・・・
「今日は私が産んだ日なんだから、祝わずには居られない!」
なるほど(笑)
世界一の自分事である(笑)
立ち上がると、家にある色んなモノをかき集め始めた母。
こうして完成したのが、なんとも激ダサの即席誕生日ケーキだ(笑)
父が回復したら、この記念すべき激ダサの
最高にハッピーなケーキを見せてあげよう^ ^
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家族とは何だろう。
簡単に出る答えでも、一言で言い表せるモノでも無い。
今ICUに居る父も、きっと今年の誕生日を家族で一緒に過ごしたかっただろう。
それは私たち家族も同じ想いだ。
だけど家族って、こんな風に一緒に過ごせない日や時間があったとしても、物理的に離れていたとしても、変わらない。
生きていると色んな事が起こり、めまぐるしく変化する世の中で、変わらず在るという事はどれだけ凄い事だろうか。
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誕生日おめでとう!
産んでくれて
産まれてきてくれて
ありがとう。
そして誰もにとって、
毎日がとても特別だという事!
そんな風に世界を見たら、明日から何かが少し変わるかもしれない。
2020.6.25父の手術が長引いたため、誕生日の弟は激ダサケーキで盛大に祝われた日の記録。