「アキレス腱断裂の保存療法の流れ」#書く習慣133
日々の診療お疲れ様です、TROT(トロット)です。
今朝は寝過ぎて体が痛くて朝ヨガをして一日を始めました。
体を動かす、って大事ですね。自分が率先しないと患者さんには指導できないなあと反省しました。
皆さんは運動してますか?
運動不足でよく話題に出るのが、そう、 #アキレス腱断裂 です。
今日は久しぶりに動いた際に罹患した患者様がいらっしゃったので、アキレス腱断裂を紐解くというより、どんな流れでこの後の保存療法を行なっていくのかを説明したいと思います。
アキレス腱断裂
理学療法に必要な知識
・アキレス腱は腓腹筋、ヒラメ筋の共同腱
・腓腹筋とヒラメ筋は、遠位で腱膜部で合流しアキレス腱となり踵骨隆起に停止する
・アキレス腱は下腿筋膜と腱実質の間にパラテノンと呼ばれる疎生結合組織に囲まれる
・好発年齢は30〜40歳代で、スポーツ中に生じることが多い
・診断は断裂部の陥凹、Simmonds-Thompson squeezing testが有用
(動かないことが陽性…わかりづらい…)
・一定期間のギプスの後に、装具を用いて保存療法を行う
・エコーを用いて、断裂端がしっかりと連続性を得られるようにすることが望ましい
保存療法の流れ
・初診日
エコー下で接触不十分なため2〜3週はNWB下での固定
患部外トレーニング(足趾)
廃用予防、滑走不全、癒着予防、静脈血栓症の予防
・2週
アキレス腱装具に変更(ヒールパッド4、5枚)
装具装着にて全荷重(疼痛に応じて)
自動底屈運動開始
・4週
自動背屈運動開始(0°迄):Thompson陰性が目安
足趾キャッチ&リリース、タオルギャザー
両足ブリッジ
腱付着部や周辺組織間での癒着部に徒手的にアプローチ
・6週
自動背屈運動開始(制限なし)
座位でのヒールレイズ
・8週
ヒールレイズの負荷アップ
・9週
パッド除去
立位両下肢ヒールレイズ
両足ハーフスクワット
・12週
装具除去
他動背屈運動開始
立位片足ヒールレイズ(
両足スクワット
フロントランジ
・14週
下腿三頭筋ストレッチ開始(腓腹、ヒラメを選択して行う)
・4ヶ月
立位片足ヒールレイズで健側の50%踵挙上ができたらジョギング、ステップ
・5ヶ月
片足ヒールレイズが連続で20回以上可能であればジャンプやランニングを許可
・6ヶ月
スポーツ復帰
早期リハと再断裂
最近の研究では早期リハによる保存療法での良好な治療成績が報告されています。
早期リハを行なった治療スケジュール上、手術療法と保存療法の再断裂率に差はなかったとの報告もされている
参考文献
・術後理学療法プログラム(第3版)