【エッセイ】 勇気くれた元カープ福井投手
2018年のシーズンオフ。
広島東洋カープの福井優也投手の楽天へのトレードは、丸佳浩選手の巨人移籍とともに私にとって寂しいニュースだった。
ルーキーの年に8勝を挙げたものの伸び悩み、もどかしいシーズンが続いた。
2018年と言えば、カープが3連覇した年。
その歓喜の輪に加われなかったのは悔しかったに違いない。
個人的に思い出深いのは、2014年7月の阪神戦だ。
1軍に昇格したばかりの福井投手が先発した。
相手の先発は当時エースのメッセンジャー投手で、戦前の予想は分が悪かったが、前評判を覆す力投で見事完投勝利を収めた。
ちょうど入院していた私は、ラジオで応援していた。
手術を翌日に控え、心細かった夜。
どれだけ勇気を与えられたことだろう。
福井投手は黒田博樹さんからも「いい球を投げる」と言われていたと聞く。
移籍は寂しいが、投球に磨きをかけ、野球人生の第二ステージが輝くことを願ってやまない。