プロジェクト短編小説┃『東京の生活』
ヘンリーデビッドソローの著作に『森の生活』という本がある。都会を離れて自給自足の生活を送った二年間の記録だ。生前こそ評価されなかったようだが、記録文学という点においてアメリカ文学でも高く評価されている。これは生活を記録するという文学ジャンルであるが、ただの生活の記録が読み物として価値を持っている理由は、文学的価値が、どれだけ事実に基づいた正確な描写をするかということや、自分の気持ちを素直に表現出来ているかどうかというところにあるからではないだろうか。簡単なようで、これがとて