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最高の褒め言葉

 10年前、担当するご利用者の夫であり介護者であるO様と出会いました。小学校の校長先生まで務め上げたO様は、奥さまの介護だけでなく家のこともきちんとされていました。趣味の囲碁教室に通い、清華苑の施設で行事があれば足を運び、法人が主催する男の介護者サロンにも顔を出してくれていました。なかでも清華苑のヘルパーさんが作る食事を何より楽しみにされていました。そして、3年後、奥さまの介護が終わりを迎えました。

「清華苑さんにはお世話になりました。ワシに介護が必要になってもあんたと清華苑に世話になりたいと思ってる」
という最高の褒め言葉をいただいて、その後に私は産休に入りました。

 その後、職場復帰し、何度かの異動を経た平成31年4月にO様から1本の電話が鳴りました。
「男の独り暮らしは食事の用意が大変や。清華苑のヘルパーさんに食事を作りに来て貰いたいんや。他のことは何とかするから」
というO様の依頼を受けて、介護保険の申請手続きを行い、ヘルパーを調整しました。

 令和3年、94歳になったO様は今も独り暮らしを続けています。徐々に物忘れが見られ、電話のやりとりや緊急訪問の回数が増えてきましたが、これからも奥さまとの思い出が詰まった大久保で1日でも長く生活を送る事が出来るよう、O様の生活に寄り添い、支援させて頂きたいと思います。

居宅介護支援事業所 清華苑ケアガイドステーションⅢ
介護支援専門員 大西絵里子 


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