令和4年に三幸福祉会は設立35年周年の節目を迎えました。この節目にあたり、法人内職員に心温まるエピソードを募集しました。 世間では介護の仕事は重労働で報われることが少ないという評判が多く、求職してくれる人が少ない現状がありますが、実際にはそんなことはありません。 介護の仕事に真剣に取り組めばいろいろと報われることも多く、とてもやりがいのある仕事であるということを多くの人に伝え、職員全体でもその体験を共有することが大切であると考えて企画しました。介護に関連する仕事に携
介護という仕事を始めてから、1年半ほどが経ちました。1年半経った今でも、ご利用者から直接「ありがとう」と伝えてもらうと凄くやりがいを感じます。「ありがとう」と伝えてもらう事で自然に笑顔になれたり、次の仕事も頑張ろうと思える事が私のやりがいに繋がっています。 私はご利用者の中でも日頃からコミュニケーションを多くとっているA様という女性の方がいます。A様は、認知症がある方なのですが、凄く心の綺麗な方でいつもたわいもない会話をよくしていました。 先日、私はご利用者に関係す
私には毎月一回行っている趣味があります。それは、カフェ巡りです。神戸・姫路・明石といろいろな場所を巡っていて、その中でも最近は『古民家カフェ』にハマっています。古民家カフェとは、古い日本家屋をカフェに改装したもので、様々なデザインや内装の物があり、そこでコーヒーやお菓子を楽しみます。 職員の方に趣味の話をすると「ここでもカフェレクがあるからしてみる?」と言われ始めることにしました。私は自分の趣味としていたことが仕事で活かせるとは思いませんでした。 ある日突然、カフ
名前というのはその人にとってどういった価値観を持つのでしょうか。 ただ単に個人を識別するためなど色々と感じるところはあるかと思います。 介護の仕事をするまで、名前に対して特に考えたことがありませんでした。名前を呼ぶのが当たり前、呼んでもらうのが当たり前、といったことが普通でした。 しかし、ご利用者と日々を過ごしていく内に名前の大切さを考えるようになりました。特養には、100名を超える利用者さんが生活しており、入職した当時は、顔と名前を一致させ、覚えることに四苦八苦していま
食事、排せつ、入浴の場面などでご利用者から「ありがとう」と言われるとこの仕事をしていて良かったと感じます。 出勤すると「おはよう」や「こんにちは」と声を掛けて下さり、今日も1日頑張ろうと力が出てきます。 人と会話をする事が苦手だった私ですが、今では人と話をする事が好きになったのは、普段からお世話になっているご利用者のおかげです。 コミュニケーションのきっかけ作りとして、私はご利用者の誕生日にはどの職員よりも1番に「○○さん、誕生日おめでとうございます!」と声をかけるよう
相談員の仕事をしているとご利用者とご家族の関わりを見る機会が多々あります。 ショートステイを利用される方をお迎えに行くと毎回玄関の上がり框に腰掛け、待って下さっているご夫婦がいます。玄関の引き戸を開けたときのお二人が仲良くちょこんと座っておられるお姿をみると「少しでも長くお二人で過ごせる時間が続いて欲しい」という気持ちになります。 自宅でのご利用者の様子を見させていただけることはとてもありがたいことです。相談員として、自分がその情報を知って終わりでは無く、ささいな情報でも
私が担当させて頂いているT様は、訪問するといつもニコニコしながらお話してくださる心優しい方です。 ある日、訪問すると奥様より「顔色が悪く食欲もないの」と言われました。 すぐ主治医に診てもらうべきと奥様に伝え娘様と一緒に病院へ。 翌日、奥様に受診結果について確認すると「脱水と診断されましたが、2時間の点滴でほぼ回復しました」と報告を受け、ほっとしました。 後日訪問時、笑顔に戻ったT様夫妻より「お陰で良くなったわ!ありがとう!」と言われました。 その笑顔とお言葉に私も元
2020年春に婚姻を機に病院を退職し、初めての転職で清華苑養力センターに就職させて頂きました。 未だ施設での仕事に不慣れな頃に、通所リハビリで担当を引き継がせて頂いたA様のお話です。 日常生活の全てと家事を自立され、ご主人と二人暮らしをされていたA様は明るくとても気さくな方で他ご利用者様との関係も良好な方でしたが、認知症を患われていたご主人の介護の疲労でリハビリ介入時にはどこか落ち着かれる様子はなく、浮かない表情をされることが多くみられました。 介護に明け暮れ眠れない日
S様とは、男同士趣味の話でよく盛り上がります。 ある夜勤の時の会話です。 S様の愛車は、日産のブルーバードだったそうで、日産の色々な車の写真見ながら、二人並んでお話をしました。 「スカイラインのテールランプはやっぱりこれですよね。」 「やっぱりこれやなあ」 「フェアレディZ」のデザインは初代が凄いですよね。」 1974年のラリー仕様のフェアレディの写真を見る。 「かっこいいですね。当時の人気はすごかったんじゃないですか?」 「ああ、あれは凄かったなあ」 「僕も、小学生
デイケアの送迎中にF様から頂いた言葉は、私の宝物です。 「私ね、脳梗塞になって良かったと思っているの。だって、この病気のおかげでデイケア清華苑すいすいに来る事が出来たし、こんな楽しいところないよ!私はみんなに支えられて幸せ。いつもありがとうね!」 ケアハウス 清華苑シルバーライフ 村上 卓也
ある女性のご利用者との話です。 私は、4月に入職したばかりで右も左も分からない中、先輩方に教えて頂きながら日々の業務をこなしていました。 そんな中ある日、その女性のご利用者のトイレ誘導をする際、転倒されないように手をつなぐと「こんな男前な兄ちゃんと手つなぐの初めてで嬉しいわ」と言って頂きました。 突然のことで驚きましたが、自分や周りの先輩方も笑顔になりとても和やかな雰囲気になりました。コミュニケーションを取る事の大切さを改めて感じ、この日からご利用者との会話が楽しみにな
私は入職して12年目になりますが、産休育休を2回経て現在正職員として育児と仕事を両立することができています。 私が妊娠した時、妊娠をしたら退職される職員が多く、経験者がいないため産休に入り今後復帰することに不安がありました。妊娠中の限られた業務しかできない私を上司や同僚は嫌な顔せず体調を気にしてくれたり大きくなるお腹を一緒に喜んでくれ、たくさん励まされました。 産休育休後も上司との勤務の相談を重ね、夫婦同じ法人で働いているということもあり、勤務調整してもらい育児と仕事の両
特別養護老人ホーム 清華苑から老人保健施設 清華苑養力センターに異動して約5年という時が過ぎました。 異動してきた初日は朝からとてもソワソワしていました。清華苑養力センターには、ほぼ同期はおらず職員も顔見知り程度の方ばっかりでした。 1か月のOJTが始まり、OJT担当をはじめ、同フロアの職員、違うフロアの職員、上長、また看護、リハ室、相談室、事務所の職員が「大丈夫・慣れた」等優しく声をかけてくださり、働き始めからとても居心地のよい環境だと思いました。 約5年が過ぎました
平成30年9月4日、台風の影響を受けて朝から激しい雨風の荒れた空模様でした。 正午過ぎに雨風の勢いが弱まったとき、私は大久保苑の管理者(当時)にご利用者の送迎を指示しました。上長の私に対して「もう少し様子を見てから・・・」と遠慮気味に話す管理者の意見を聞き入れずに。 間もなく、私の携帯電話に管理者からの着信が入りました。雑音交じりで聞き取り難い状況でしたが、「Mさんのマンション付近で送迎車から降りようとしたら、車のドアが・・・」という助けを求めている内容であることは
職員の口から「同期」という言葉をよく聞きます。長く働いている職員のほうがその傾向は顕著な気がします。文字通り同じ期(年度)に入職した者たちを意味するわけですが、その存在はやはり特別なもののようです。 仕事を続けてこられた理由の1番は同期の存在とはっきり口にする職員も多く、入職後、喜怒哀楽を分かち合ってきた関係性がくじけそうなときに幾たびも気持ちを奮い立たせてくれたのだろうと想像します。 特に同期にまつわるエピソードで印象的なのが「Aさんのこういうところを尊敬している
3年前、明石南高校で3年生の生徒さん達へ福祉についての授業を担当していました。 最後の授業で、「またどこかで会いましょう」と生徒達に別れを告げました。卒業してから1か月後、明石駅のバスターミナルを歩いていると遠くから「先生!」と呼ばれたので振り返ると授業を受けていた生徒が声をかけてくれました。雰囲気も変わっていたので自分が担当していた生徒とはすぐ気がつきませんでした。 「先生、元気?授業楽しかったで」と、授業が楽しかったことを伝えてくれて嬉しく感じたと同時に、地