縁の妙とポケモンマスター
サトシの冒険の終局に時代の変遷を感じます。
ポケモンマスターな友人の話をしましょう。
彼との出会いは幼稚園の園庭でした。人と関わることの苦手だった私とは対照的に、笑顔の似合う彼は分け隔てなく友達をつくり、自然と私をその輪の中に招き入れてくれました。
あれから三十余年。
自他ともに認めるポケモントレーナーな彼は、やがて世界大会に出場するほどのガチ勢に成長していきますが、それはまた別なお話。ここではそんな彼に敬意を表してサトシと呼ばせていただきます。
縁とは不思議なもので、図らずも人生の重要な局面に、サトシは度々登場します。ライバルというような争いになることは稀で、彼がポケモンマスターを目指すなら私はポケモンブリーダーを目指すような、そう私は彼にとってタケシのようなものかもしれません。世紀末リーダーなタケシではありません。ジムリーダーでブリーダーなタケシです。
偶然の再会は高校の教室でした。
奇しくも同じ高校に進学し、同じクラスで再会を果たしたサトシとタケシは、偶然にも高校三年間を同じ教室で過ごします。受験を経て進学した先も同じ大学の同じ学部でした。打ち合わせたわけでもないのに同じ部活に入り、6年間を共に過ごします。なぜか卒業旅行も一緒に行くことになり、カスミ不在のむさ苦しい旅でしたが、大いに楽しみました。
当時すでに人生の半分以上を共に生きる、ソウルメイトのような存在だったように思います。
この春、遠方に異動になった私は勤務初日に驚愕します。
前のデスクにサトシが出勤してきたのです。
目が合って数秒、昔と変わらない笑顔で彼はいいました。
「職場、間違えてない?迷子?」
いや迷子じゃねぇし。
見知らぬ土地で得た旧友との邂逅。
それは想像以上の安心感を齎す出来事でした。
彼がいれば、どんなポケモンが出てきても大丈夫でしょう。疲れきった私の手持ちポケモンを休ませながら、旧い記憶を辿ります。彼と会うときは何かが動き始めるタイミングです。新しい生活に希望を灯し、劇場版『ミュウツーの逆襲』を鑑賞します。やっぱコレ名作だわ…。
拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございますした。願わくは、貴方の旅路に幻のポケモンの祝福がありますように。
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