SFA/CRMの導入 #3 ツールの比較検討について
こんにちは。株式会社マツリカでカスタマーサクセスを担当している森岡です。弊社では「現場主導」をモットーにした、SFA/CRM「Senses」を提供しています。私は、Sensesの利用ユーザーだったのですが、プロダクトの魅力に取り憑かれ、気づけばマツリカにJoinしていたという経歴を持っています。
過去2回に渡り、現状分析と導入目的の明確化についてnoteに書いてきました。ご興味ある方は、ぜひ過去のnoteも読んでみてください。
さて今回は、SFA/CRMの導入検討において皆さんが時間をかけるであろうツール比較について書いていきたいと思います。
SFA/CRMに限らず、プライベートでも何かを購入する時に比較しますよね。
私はAmazonでポチポチ購入するのですが、口コミをみたり公式サイトに飛んだりして比較検討を時間をかけてする派です。www
プライベートの買い物と会社でのツール導入は、重みが違うかもしれませんが、比較検討は重要なフェーズという点では共通していると思っています。
今回の記事を通して、どんな比較検討の手法があるのか、私はどうやって比較検討したのかなどお伝えしていきますので参考にしていただけますと幸いです。
まずはSFA/CRMについて理解する
まずは、大前提としてSFA/CRMとはどういったツールなのか理解をする必要があります。過去のnoteで現状分析とツール導入目的の明確化を書きました。みなさんの会社で課題と考えられることは、SFA/CRMが解決手段としてマッチしているのか理解することが重要です。
もし判断を謝ると大変なことになりますので注意してください。
CRMとは
Customer Relationship Managementの略称で、日本では「顧客管理ツール」として浸透していると思います。
以下のような機能が基本的に備わっています。
・顧客情報(氏名、年齢、性別、購入履歴など)
・お問い合わせ情報
・メール配信情報
・イベントなどへの参加情報
一般的には、SFAやMAといったツールと連携させて使います。SFAやMAで取得されるデータをCRMに蓄積していくといったイメージで良いかと思います。
※MA(Marketing Automation)は、マーケティングに特化したツールで、見込み顧客のサイトアクセス分析、メール配信、問い合わせ情報などを取り込むことが可能です。詳細の説明は本noteでは割愛させていただきます。
SFAとは
Sales Force Automationの略称で、日本では「営業支援ツール」として浸透していると思います。
以下のような機能が備わっています。
・顧客情報管理(CRMと連携)
・案件管理
・商談プロセス管理
・売上予実管理
・スケジュールやタスク管理
・活動報告(日報・週報など)
・見積作成
・集計や分析レポート
営業活動を通して管理が必要とされる「案件情報、活動内容、数字見込み」などの情報がSFAでは管理できる訳です。
また、分析機能も備わっていることが多いので、csvダウンロードして表やレポートの編集といった手間の削減も期待できるかもしれません。
ツール選定で重視するポイントを決める
ツール検討をする時、早く具体的なツール比較をしたいと思ってしまうかもしれませんが、もう少し待ってください。
まずは、自社においてSFA/CRM選定で重視するポイントをあらかじめ決めておくことが大切です。
なぜか!?
現在SFA/CRMベンダーで働いている私が言うのもなんですが、ほとんどのツールは機能面で大きな差がありません。www
もちろん細かな機能やAIの有無など最先端の技術が取り入れられているかどうかなどの機能差はあります。しかし、基本的なSFA/CRMの要件を満たす機能はほとんどのツールで備わっています。極端なことを言うと、やろうと思えばどのツールを選んでもやりたいことが実現できるのです。
もちろん超格安なツール(あるか分かりませんが)を選ぶと、機能が限られると言うケースはあるかもしれませんが、それは例外としておきます。
なので、ツール比較に入る前に、まず自社でSFA/CRM導入を成功させるためには、どういったツールやベンダーを採用すべきなのか具体的な重視ポイントを決めてから比較を始めると良いと思います。
何を重視すべきか分からないと言う方は、SFA導入で失敗した例を参考にすると良いかもしれません。
Googleで「SFA 導入 失敗」とかで検索してみて下さい。たくさん記事が出てきます。
他社が失敗した理由が自社でも起こりうるのであれば、そこを補えるツールやベンダーをピックアップしていくとマッチしやすいでしょう。
私の場合、以下のポイントを重視することと決めました。
①営業メンバーが使いこなせるUI/UX
②将来的な拡張性、成長性
③サポートの充実度
過去のnoteにも書いた通り、私の「軸」として営業メンバーに使われないとSFA/CRMの導入は意味がないと考えていましたので、①は最も重視しました。
②は、ツールとしての拡張性はもちろんですが、企業として今後もSFA/CRM業界で生き残っていけるのかも重要でした。と言うのも、SFA/CRM業界を調べていただいたらわかる通りツールが乱立しています。市場での地位を確立できないと、いずれ衰退してしまう可能性も考えられます。導入したツールがSFA/CRMサービスを終了してしまうと困りますよね。。。
最後に③ですが、当時の会社は初めてのSFA/CRM導入でした。私は過去に別の職場でSalesfoceを利用していたことはありますが、自分で設計したことはありません。
なので、導入後もしっかりとサポートしてくれるベンダーじゃないと不安でした。
このような重視ポイントをもとに具体的なツール選定に入っていけると、後々ツールを選別していくときに考えがブレずに進められると思います。
ユーザーの声を参考にする
皆さんは、何か購入するとき口コミサイトを見たりしませんか?
冒頭にも書きましたが、私はAmazonでよく購入するのですが、ユーザーの評価を結構しっかりと読みます。食べログの評価もめっちゃ見ます。(最近はコロナ禍で外食が減りましたが、、、)
良い評価、悪い評価どちらも読んでみて、自分で最終判断してます。
やっぱり実際に利用した方の声は、すごく参考になりますよね。
SFA/CRMのようなITツールでも、実際の利用者の声は参考になると思っています。コメントの数が多いと、それだけ活発に利用されているんだと思いますし、良い点・悪い点を正直に書いている方がたくさんいるので、Webサイトやダウンロード資料からは見えない部分がユーザー視点で見えてきます。
私は当時、ITreviewというサービスを活用しました。
ITreview SFAカテゴリ
私が導入検討したのは約2年前ですので、当時から勢力図?も大きく変わっている印象があります。
当時も今も変わらないのは、Salesfoceさんの絶対的なコメント数&評価スコアでしょうか。SFA/CRMといえば、Salesfoceさんという絶対的なブランドがありますし、実績も十分です。
先程の重視するポイントで考えると、私個人としては「①営業メンバーが使いこなせる」という点に不安がありましたが、検討の1社にはピックアップしました。
そして、最終的に導入することになるSensesもITreviewを見てピックアップした1社でした。当時はまだ、コメント数が少なかったですが、ユーザーの評価はすごく高かったことを覚えています。
また「③サポートの充実度」に関する高評価コメントもたくさんあり、導入してからも安心できそうだなと感じていました。
必ずしも全てをITreviewのコメントで決めるべきではないと思いますが、サイトやベンダー営業からは聞き取れな生の情報を確認できるという点では、非常に活用できるサービスだと思います。
また1つ前でお伝えしたように、先に重視するポイントを決めてあるからこそ、ユーザーの声と照らし合わせてピックアップの判断がスムーズに進められると考えています。
ベンダーに声をかける前の一手間(参考までに)
ここからは私個人の検討方法をお伝えしますね。
良し悪しあると思いますし、とあるベンダーさんにとってはあまり嬉しくない方法とも思いますので、参考程度に見てください。
SFA/CRMの導入&設計を自分が推進することを考えると、そもそもSFA/CRMにもっと詳しくなりたいですよね。その方が、機能面の理解が深まりますし、いざベンダーの営業と打ち合わせした時にも、客観的な判断ができると思っています。
ちなみに先程お伝えしたように、現在のSFA/CRMでは基本的な機能に大きな差はありません。極端な話、試すことができればツールは何でも良いです。
なので私は、無料でアカウント発行できるHubspotさんでアカウントを作成してSFA/CRM設計の基本を学びました。(Hubspotさんごめんなさい)
案件の項目、プロセス、メンバーの活動など、どのような設計をすれば「営業メンバーに使ってもらえるのか」考えました。
「じゃHubspot導入すればいいじゃん」となるかも知れませんが、個人的にHubspotに感じていたことは、MA機能は強いですが、SFAとして「①使いこなせるのか」と「③サービスの充実度」の不安を払拭できず候補から除外しました。
このようにSFA/CRMの設計に関する最低限の知識を身につけてから、最終候補に残っているツールベンダーに声をかけました。
実際にベンダー営業から話を聞く
ここまで長かったですよね。これまでの結果をもとに、ピックアップしたSFA/CRMベンダーに問い合わせをして、営業から話を聞いていきます。
少し話がそれますが、ビジネス書で非常に有名な「ザ・モデル」の中で以下のような文章がありました。
「情報収集、比較検討、意思決定といった購買プロセスのうち、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっている」
まさに、私の購買プロセスも当てはまるなぁと思った瞬間でした。
さて話を戻しますが、実際にベンダー営業から話を聞いていくわけですが、営業は当然ながら自社の良い点、ポジショントークをどんどん話してきます。皆さんは、判断基準とする「重視するポイント」を忘れずに、冷静に話を聞く必要があります。
また、現時点での「できること/できないこと」だけでなく、そのベンダーが将来的に描いている世界観なども聞いておくと参考になります。
多くのベンダーは、数年プランでロードマップを描いているとともに、最終的に実現したい世界観を持っているはずです。
その話を聞いて、皆さんがワクワクするのなら、そのツールは将来的にも魅力的なサービスであり続けるでしょうし、導入後の利用メンバーも活用してくれる可能性が高いと思います。
逆に、この辺りを営業側が胸を張って、心躍らせながら語ってくれないと、あまり将来的な期待ができないのかなと不安に思っていいかも知れません。
各ベンダー営業から話を聞いて、ツールの特徴/会社の特徴などを掴んで「良さそうだな」と思ったら、トライアルの申し込みを進めていきます。
最初からトライアル申し込んでみる方もいるかも知れませんが、個人的にはお勧めしません。「とりあえず試してみよう」と言う考えで、検討を進められるツールもありますが、SFA/CRMの場合、そんな軽い感じでトライアルして触ってみても判断ができないです。
目的や重視するポイントが明確になっているからこそ、トライアルで確認すべき点が分かり、自社にマッチするかどうか判断できるのです。
とりあえずのトライアルは、ベンダー営業からの連絡が来るようになり「面倒だなぁ」と思うようになるだけなので避けましょう。www
比較検討結果をまとめる
トライアルで各ツールの検証ができたら、これまでの検討内容をまとめていきます。
書き方は自由ですが
・ツールの特徴や機能
・ベンダーの特徴や将来性
・サポート内容
・ユーザーの声
など様々な角度から捉えてまとめていくと良いと思います。
なお、会社として決めた「重視ポイント」をベースにしておくことは忘れないようにしましょう。
まとめ
比較検討のフェーズは、非常に大変です。
自分の知識がないと、そもそも判断できないですし、会社として重視するポイントが決まっていないと検討がブレてしまいます。
時間がかかりますが、このフェーズをしっかりと取り組むことで、上司や役員へ上申する時に自分の言葉で自信を持って伝えることができるはずです。
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
次回は、上司や役員への上申について書きたいと思います。
最後に、株式会社マツリカでは「現場主義」をモットーとしたSFA/CRMを提供しています。私も元々ユーザーでしたが、現場メンバーが使いやすいUI/UXで設計されています。
気になる方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
https://product-senses.mazrica.com/
また、株式会社マツリカでは、一緒に働いてくれる方を募集中です。
まずはカジュアル面談で話だけでも聞いてみたいという方もお気軽にご相談ください。
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