B.G.M 《詩》
「B.G.M」
とても小さな音で聴こえてる
耳を澄ませて
と言う意識は無い
いつでも交換可能な匿名的なB.G.M
僕はその他大勢の中にある
固有の不協和音を探していた
何故だろう
他の誰かでは無い その音を
その明確な理由はわからない
1行1行をしっかりと
噛み締める様な
そんな言葉を欲していた
僕は灰皿に置いたままの
煙草が燃え尽きるのを見ていた
指先でこめかみを押さえ
やがて来るであろう
頭痛の予感を鎮める様に
深夜を過ぎても通りは明るく
目的を持つ人達
または無目的に時間を浪費する
そんな
人々が行き交う街を眺めていた
顔に深い傷のある そう
鋭利な刃物で抉られた様な
そんな傷跡を持つ
道に迷った雑種犬が
空に向かって吼えていた
僕は彼奴の書き残した
詩を思い浮かべていた
B.G.Mはもう聴こえて来ない