
陰影 《詩》

「陰影」
混じり気無しの本物から
100パーセントの偽物まで
どうでもいいさ
そんな事
無名のまま消えた彼奴の言葉は
本当に無価値なのか
その価値基準は何処にある
才能は無いけど良い奴だとか
才能だけはあるが
糞みたいな奴だとか
飢えと乾きが集約された夜の色

其処に開いた巨大な穴は
全ての始まりを意味する
入り口なのか
全ての終わりを意味する
出口なのだろうか
暴力的な陰影
僕の中の失われた一部が
はっきりと其処にあるのがわかった
全てを焼き捨てる為に此処に来た
本当の永遠ってやつを知ってるか…
彼奴は静かにそう囁いた
僕は窓の外を見ていた
淡い闇が風に吹かれていた
本物と偽物とか混在する世界の中で
僕が自分自身を解放する事で始めて
彼奴も解放される
知ってるよ
本当の永遠だろう…
僕は少し笑って彼奴にそう答えた
