6•6•6 《詩》
「6•6•6」
限りなく暴力的に
相手に対して報復を行う
其の周辺にある
立体を破壊して去って行く
隠語とスラングの類とか
口頭と字面の質差とか
リアリズムはいつだって
見えない場所に隠される
僕の中の傲慢さと無神経さが
独立し機能し始める
其れはある種の権力に似ている
社会的権力を握る事が
何よりも大切であり全てであると
無意味な必然性が
読み捨てられた新聞の様に風に舞う
奴等が掲げた意志ある思想とは
どれもが
あやふやで その場しのぎだ
多分 あれは6月
雨は降って無かった
それほど暑くも無く寒くも無い
此処では季節は問題では無い
その日が令和6年6月6日で
あったと言う事だ
麻酔をかけられた脳に細くて長い
針が差し込まれ行く
痛みは無い
闇の中で軋む沈黙の音を聞く
記憶が予感を呼び込み
視界が歪み落ち始める
疑問の根は止まる事を忘れ
地中を這い続ける
だからこそ
奴等はこの日を選びやって来た
まるで音も無く降る雨の様に
時間と時間の隙間にある
薄闇に奴等の姿を見る
白紙に戻せ 白紙に戻せ
そう声が聞こえる
笑わせるな 6•6•6
其処に僕は抱腹絶倒と言う名の
タイトルを付けた
馬鹿げてるだろう
機械的で規則的な感覚的認識とは
手の届かないはずの物が
お前の肩に触れる
理解出来ないだろう
もう直ぐ其処まで来ている
お前はただ絶望を含む引き攣った
微笑みを浮かべるしか無い
僕は奴等が其れを殺るところを
横から見ている
Photo : Seiji Arita
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