選ばれし者の試練　《詩》

「選ばれし者の試練」

好むと好まざるとにかかわらず

何事にも支払うべき代償は付き纏う

いずれにせよ　

負けた人間は多くを語らない

何を言っても泣き事とか
言い訳にしか聞こえない

其の勝負の鉄則を守り僕等は皆　

黙り込む


此の場所は流刑囚により開拓された街だ

凶悪な暴行犯や殺人犯　

何度も犯行を積み重ねた札付きだ

囚人の多くは刑期を終える事無く
此の場所に骨を埋めた

僕等は此処で産まれた

明確な自我や目的　

自立などは徹底的に排除され

無風の時を連れて歳月は過ぎて行く

素直な良い子になる事で
両親からの愛情を得ようとする

子供の様に


支配階級
上流階級の人々は紅茶を飲み　

スーツを着て腕に時計を付けて街を歩く

愛国心の無い者達が意味も分からず
愛国記念式典に参列し

ロザリオを首からぶら下げた信者は
讃美歌の替え歌を歌う

Fワードだらけの酷い歌詞だ


総理大臣は銃殺され　

僕等は光と闇の交差点に立ち止まる

戦わない事でしか
負けない方法を見つけられない

誰もが皆　

選ばれた人間なんだ　君も僕も

涙に似た雨の雫がひとつ　

またひとつ

いつか其の雫は岩おも砕く　
そう信じて空を見上げる

痛みを知る光が射す　

白紙に踊る言霊

選ばれし者の試練　

君の言葉で救われた事　

今日を明日を生き延びる日々　

僕等は自由な夢を見る

そして　また僕はペンを握る