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バルタン星人はロクデナシ 《詩》

「バルタン星人はロクデナシ」

指先で空をなどり 
大切な言葉を探していた

俺達は同じ夜空を見上げて
星を数えた

ひとつ ひとつ またひとつ

逃げ出した向こう側にあったのは 

ただの言い訳

誰かより優れたものなんて 

何も無くて

答えなんて何処にも見つけられなかった


自分は自分だと 

ただ心の中で何度も叫び続けた

道なんて幾らでもある そうだろう

糞ったれのロクデナシだけど

其処にはお前なりの筋があり
俺なりの筋がある

其れだけは曲げられなかった


大切な者を守る為には
ケジメってヤツが付き纏う

飛ばした指先 

親指と人差し指しか無い手を隠しもせずに

俺 バルタン星人なんだよね…

そう言っておどけて見せたお前

良く頑張ったよ お前は凄いよ

誰も知らないところで

必死でやって来た事を俺は知ってる

人から何を言われたって構わ無い 

そう言っていつも笑ってたよな

お前は最高だって俺が言ってやるよ


愛や絆に似た不完全なものを信じた

ひとつ ひとつ またひとつ

星は輝いている


夏は死の匂いがして 

お前の逝った あの日を思い出す

決して独りぼっちにはしないと誓った

そして 
俺の心は今でもお前の傍に居る

お前の言葉が俺の心の中の鐘を鳴らす

誰にも言えない 誰にも言うまい

新しい俺になれた時 

お前を迎えに行くから

そん時はまた遊ぼう また笑おう

文庫本の小説が散らばった床 
ウィスキーの空瓶だらけの部屋


ひとつ ひとつ またひとつ

時は廻り 
またお前を必ず見つけだすから

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