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ハート オブ ストーン 《詩》
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「ハート オブ ストーン」
1982年型のMINI
褪せた
アーモンドグリーンのボディカラー
高台のガードレールの傍に泊めて
しばらく夜景を眺めていた
遠くにドライブインシアターの
スクリーンが見える
僕はキャメルの
フィルターをもぎ取って
反対側を口に加え煙草に火をつけた
車のシートを倒して長いキスをした
僕のキスは
煙草の味しかしないらしい
そう言って彼女は微笑んだ
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古いストーンズの
レコードをかけながら
彼女と何度も愛し合った
ハート オブ ストーン を聴く度に
彼女の事を思い出して
セクシーな気持ちになる
今でも
彼女はバッグから指輪を取り出し
左手の薬指にはめた
一度だけ振り返り僕を見た
音も無く
静かに雨が降り出した夜だった
僕は彼女の背中を見ていた
その上に降る雨を見ていた
あの日の雨はもう降る事はない
知ってるさ
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