鱗片 《詩》
「鱗片」
細長いグラスに
注いだ冷えたシャンパン
細かく立ち上がる
気泡の先に見えた淡い光
まばらに点在する
それらの綺麗な光
ささやかな温もりに似た灯りを
其の中に感じていた
生と死の境界線が微妙に揺れた時
淡い光が僕に囁きかけて来る
真実が連れて来た無制限の孤独
鱗片状の慈愛が剥がれ落ちる
流れる様に艶やかな彼女の髪と
静かに話す言葉の文脈
其の対局にある確かなもの
彼女の強い感情の流れが
僕に明日を見せてくれる
僕の同意と
彼女の同意が重なり合う時
点在する光は繋がり導きを生む
唯一無二の真実は
時として絶望を呼ぶ
不明確な安らぎに我が身を委ね
導きに従う時
気泡の粒が静かに揺れた
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