晩秋の風 《詩》
「晩秋の風」
たった五秒の口付け
晩秋の風
午後の陽だまり
伏せたまつ毛に沈めた
束の間の魔力
林檎が木から落ちる様な
当然の引力に近い感覚
幸せなのか
幸せそうに見えるだけなのか
そんな事を口にする君の横顔
綺麗な輪郭を指先でなどった
僕は君の
永遠に損なわれた感情に触れていた
君も其処に
触れてくれる人を探し求めていた
僕は何も聞かない
君もまた同じだった
五秒じゃ足りない
そう一言だけ囁いた
晩秋の風に
答えを辿り探し求める様に
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