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夜空の観覧車 《詩》

「夜空の観覧車」

今の質問の答えを正直に言うなら

答えはイエスでありノーなんだ

僕の思考意識の段階で

違う判断をし
違う方向に進んでいたなら

仮説を幾つも重ねた其の先には
今とは違う自分が存在する

誰と繋がり生きて行くのか

全ては不可能でも不可解でも無く

他人事でも無い


孤独に生きて行く事の価値と美学を
君の詩から読み取る事が出来る

君の生き様が僕の感性と重なり合う

僕が君であった可能性だって

十分に考えられるからだ

形にはならない連帯意識が
此処にある

僕が言葉を書き残す事で少しでも
ある種の役割を
果たす事が出来たなら

あまりにも多くの選択肢の中で
自分の意志すら見失いそうになる

核の無い揺れが蔓延している

僕の中で確立した
価値観だけが道を示す

私的な文学を追求する君の姿と

其の言葉が立ち上げる
映像的物語に魅せられる


個人的な文体が個人的な流れを持ち
僕に問いかける

空中を回り続ける観覧車

絶望と混濁の中に潜む
闇との間断無き闘い

悪い様にはしないから…

そう誰かが僕に話しかけて来た

どう思う 

女の人への口説き文句みたいだな

君ならそう言って笑うだろう

僕は扉を開けて夜空に浮かぶ
観覧車に乗り込む

其処には君が居る 

あの時と何ひとつとして変わらない
君が居る

観覧車は
停まる事無く回り続けている

僕の心の中に

君は今でも生き続けている

人々の悲哀の群れが眼下に見える



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