seiji_arita
Photo : Seiji Arita
「彼女はレゲエしか聴かない」 一晩中降り続いた雨が 何も無かった様に止んだ朝 近づいて行く様で遠ざかる夢 色褪せた目の前の景色でさえ 愛して行くと誓うから 僕…
「モンブラン」 ひとつの生き方を提示する様に 月の周りに虹の様な輪が見えた 何年も前からの 夏の幻影を見ている様だった 無価値で道徳心の欠片も無い 侮蔑された夜…
「STAY GOLD」 僕等は夢の中で生きている いつも どんな時でも一緒だった 本当に不器用だよな お前は わかってるよ 機械的に暗記された即効性と 功利性志向に塗り…
「スリム•シェイディ」 本物のスリム•シェイディは 立ち上がってくれよな ごく普通の俺なんて 誰も見たくないだろう だから俺は奴を創り出したんだ 偽物なんかじ…
「反社会的文士」 特に希望も無く絶望も無く 目の前にある景色を見ていた 僕が世界を無視するのと同じ様に 世界もまた 僕を無視し続けている 何も無いところから 架…
「六畳一間のドンキホーテ」 満たされないと泣いているのは きっと満たされたいと願うから 僕等は源泉を探している 純粋で世界で一番綺麗な水を 其処に辿り着くには…
「魔法使いと詐欺師」 幻滅 其処には何か間違ったもの 正しく無いものが含まれている 健全な想像力が失われて僕等の 心には後味の悪い失望感だけが残り かつて掲げら…
「トルストイと犬」 戦争と平和とか アンナ•カレーニナとか 随分前に読んだ気がする どんな内容だったのかは もう 覚えてないけど 歳下の女の子 18歳くらいの…
「夏のしっぽ」 夏草 蔦の葉 東に延びる給水塔の影 ひしゃげた自転車 立ち乗り 君のスカートが揺れている 家にあった花火達 掻き集めて持って来たよ 打ち上げ…
「黄泉国」 また夢を見た辛い夢を 其れが少女からの最後の メッセージだった ただ意識を集中する イメージが自律的に動き始める 妄想的な暴力性が 暴走を始め混沌…
「自己治療」 全ての事柄は一般的な 興味に合わせて形成されている 其処には本質的な答えなど無い 青春とか純愛とか正義だとか 其れとは全く異なる趣旨を持つ 自己治…
「箱庭」 自然に流れる思考水路 幾つかの可能性を示唆し僕自身を導く 焦点をひとつに定め 鋭く意識を其処に集中させる だからと言って簡潔に 要を得ている物語が降…
「マーメイド」 絶望的観測から生まれたこの身 寂れた街を夜な夜な彷徨う 酒臭い男達の濁った日 下から上まで絡みつく視線 腰に回された手に身を委ね 私は私をまた穢…
「選ばれし者の試練」 好むと好まざるとにかかわらず 何事にも支払うべき代償は付き纏う いずれにせよ 負けた人間は多くを語らない 何を言っても泣き事とか 言い訳…
2024年9月20日 15:38
2024年9月20日 11:20
「彼女はレゲエしか聴かない」一晩中降り続いた雨が何も無かった様に止んだ朝近づいて行く様で遠ざかる夢色褪せた目の前の景色でさえ愛して行くと誓うから 僕は声に出してそう言った誰に わからない 遠い記憶の中の自分に言ったのかもしれない何処からか聴いた事のあるレゲエミュージックが聴こえて来たグラマラスな彼女は「秘密の花園」と言う詩を書いて僕に朗読してくれ
2024年9月18日 22:35
「モンブラン」ひとつの生き方を提示する様に月の周りに虹の様な輪が見えた何年も前からの夏の幻影を見ている様だった無価値で道徳心の欠片も無い侮蔑された夜に月暈とは…今夜は幸運が降り注いで来る予感がした僕等は車のトランクにバールとハンマーを入れて目的の場所に向かっているヒールのかかとが取れかかっていた新しいヒールが欲しいと言っていた彼女は 靴屋に行って
2024年9月16日 19:24
「STAY GOLD」僕等は夢の中で生きているいつも どんな時でも一緒だった本当に不器用だよな お前は わかってるよ機械的に暗記された即効性と功利性志向に塗り固められた壁が押し寄せて来る其処には数値化された結果重視の硬直性が澱み無く立ち塞がる熟成した社会における例外は致命的な悲劇であるかの様に評価され其の人間固有の抱える構造的な欠陥であり社会構造内に
2024年9月15日 20:05
「スリム•シェイディ」本物のスリム•シェイディは立ち上がってくれよなごく普通の俺なんて誰も見たくないだろうだから俺は奴を創り出したんだ 偽物なんかじゃ無いぜ本物のスリム•シェイディさ模倣するのはやめてくれ赤い口紅が唇からはみ出してる 其処のお前お前が最初にフェラした男の名前を教えろよサイコパスとかジャンキーだとか窓の無い部屋だとか毎日 薬の数だ
2024年9月14日 21:21
「反社会的文士」特に希望も無く絶望も無く目の前にある景色を見ていた僕が世界を無視するのと同じ様に世界もまた 僕を無視し続けている何も無いところから架空の物語は生まれる内的な衝動が形像を立ち上げて行く反俗的な理想像破綻と混沌の中で文学を生み出す反社会的文士僕等は意識の足元の深い底にある寡黙な闇に降りて行く誰もが其処に混沌を持つ脈略を欠いた記憶の
2024年9月11日 18:30
「六畳一間のドンキホーテ」満たされないと泣いているのはきっと満たされたいと願うから僕等は源泉を探している 純粋で世界で一番綺麗な水を其処に辿り着くには流れに逆らって泳ぎ進まなくてはならない流れに乗って下って行くのはゴミだけだ良い言葉だ 理屈や理論は特に必要とされていない六畳一間の窓の無い君の部屋の壁に窓を削って作っている毎日毎日 時間をかけて隠し持
2024年9月10日 22:24
「魔法使いと詐欺師」幻滅 其処には何か間違ったもの正しく無いものが含まれている健全な想像力が失われて僕等の心には後味の悪い失望感だけが残りかつて掲げられた正しきスローガンや美しいメッセージすら今は その正しさや美しさを支えるだけの魂の力が欠落している全ては空虚な言葉の羅列に過ぎない僕の表現する事柄や発する言葉がおそらく同じ様な種類の人々に受け入れられて
2024年9月9日 18:29
「トルストイと犬」戦争と平和とかアンナ•カレーニナとか随分前に読んだ気がする どんな内容だったのかはもう 覚えてないけど 歳下の女の子 18歳くらいの少女がトルストイを連れて来た流れ進むのは我々であって時では無いねぇ 声が聴こえるでしょう合唱隊がふたりに祝福を与える様に歌声を響かせているねぇ 聴こえるでしょう本当の物語は此処にあるの私の部屋のリ
2024年9月8日 13:10
「夏のしっぽ」夏草 蔦の葉 東に延びる給水塔の影ひしゃげた自転車 立ち乗り 君のスカートが揺れている家にあった花火達掻き集めて持って来たよ打ち上げ花火やロケット花火もまだ残ってる河川敷 裸足になって膝まで入った 沢山持ってるよコーラ飴 溶け始めたシロクマアイス18時のサイレンが鳴っても僕等の午後は終わらない森を見に行こうよ今夜 知らない道を歩い
2024年9月4日 17:02
「黄泉国」また夢を見た辛い夢を 其れが少女からの最後のメッセージだったただ意識を集中する イメージが自律的に動き始める妄想的な暴力性が暴走を始め混沌の中に深く沈み込む身体と意識が壁を抜けて行く既存のメディア認識により成立した世界で即席的なロマンチック•ラブが大量生産されているインスタントな愛の営みと欲求と快楽本質的なロマンチシズムに性的関係はあって
2024年9月4日 00:22
「自己治療」全ての事柄は一般的な興味に合わせて形成されている其処には本質的な答えなど無い青春とか純愛とか正義だとか其れとは全く異なる趣旨を持つ自己治療に似た行為が僕に言葉を綴らせる僕の前を車が通り過ぎる君の住む街のナンバーだったなんだか其れだけで少し嬉しくなったその景色の背後にある内面的なイメージが僕に幸せなストーリーを語りかける課題も無く物語は景
2024年8月31日 19:19
「箱庭」自然に流れる思考水路 幾つかの可能性を示唆し僕自身を導く焦点をひとつに定め鋭く意識を其処に集中させるだからと言って簡潔に要を得ている物語が降りて来る訳では無い色々な外部的価値にはたいした意味は無く想いの全てを言語化する必要も無い僕は意識と現実の中間にある箱庭に居るかつては其処にあった体制に向かい反体制の旗を掲げる事が出来たが辿り着いた場所
2024年8月31日 14:34
「マーメイド」絶望的観測から生まれたこの身寂れた街を夜な夜な彷徨う酒臭い男達の濁った日下から上まで絡みつく視線腰に回された手に身を委ね私は私をまた穢して罪を塗りつぶす愛なんか知らない人を信じない一夜限りのイミテーション安いアルコール口移し酔った振りして悦ばせホントは私の中身は空っぽだから今夜は泡と消えるKazu「マーメイド」狂いそうな程の
2024年8月30日 16:40
線香花火 《朗読》
2024年8月30日 14:11
「選ばれし者の試練」好むと好まざるとにかかわらず何事にも支払うべき代償は付き纏ういずれにせよ 負けた人間は多くを語らない何を言っても泣き事とか言い訳にしか聞こえない其の勝負の鉄則を守り僕等は皆 黙り込む此の場所は流刑囚により開拓された街だ凶悪な暴行犯や殺人犯 何度も犯行を積み重ねた札付きだ囚人の多くは刑期を終える事無く此の場所に骨を埋めた僕等は此