ストレスとマインドフルネスの関係の説明会@note
その1:ストレスとは、マインドフルネスとは
はじめに、関係を探索するためには、言葉の定義が必要になりますので、言葉の定義を確認していきましょう。
ストレスとは
1. ハンス・セリエによる定義
“身体に加えられたあらゆる負荷に対する身体の非特異的な反応”
2. (Lazarusら、Am Psychol. 1985)による定義
ストレスは、個人が環境刺激の負荷を、自らの能力で対応、軽減、または変えることができないと認識したときに生じる。
ここでは、主に1の定義である負荷と反応について考えていきます。
マインドフルネスとは
医療の分野で用いられている定義は、ジョン・カバットジンによって定義されたもので、
The awareness that arises by paying attention on purpose, in the present moment, non-judgmentally.
意図的に、今この瞬間に、価値判断にとらわれず、注意を向けることによって生じる気づき。
定義にとらわれず、注意を向けることで確認できる事柄として捉えてみます。
手のひらに注意を向けてみると、手のひらを見なくても、手のひらの感覚を感じられると思います。そのとき、さらさらとしていても、じめじめとしていても、快も不快も分け隔てなく、感じるようなことだと思っていただければと思います。
その2:ストレス反応の仕組み
負荷と反応をここでは、刺激と反応と言い換えてみたいと思います。
刺激は外からもやってくるし、からだの内側からもやってきます。疲労や緊張、記憶や感情なども内側からやってくる刺激です。
どのような刺激に対する反応も、過去の経験が影響しています。覚えているにせよ、覚えていないにせよ、過去の経験によって捉え方が変わっています。
お腹が空いたを例にしてみます。お腹が空くのが不快だと感じたとしましょう。ご飯を食べたら、満たされます。これを適応できたと考えます。
お腹が空いて不快だと思った時、食べ物を探しに少しだけ素早く動けるようになります。これを、血圧が上がって、すぐに動けるようになる反応です。
もし、お腹が空いて不快だと思った後、半日食べられなかったらどうでしょうか。でも、締め切りがあるので、我慢していたら、気持ちはどうなるでしょうか。イライラするかもしれません。それでも、締め切りのために、我慢し続けることはあるのです。
お腹が空いた状態は、その後食べれば回復するかもしれませんが、
もし、すぐに回復できない我慢が積み重なったらどうなるでしょうか。
食べ過ぎ、働き過ぎなどの行動が出てきたり、お酒、タバコ、痛み止めなどに依存的になることもあるかもしれません。
そして、病気としての症状になることもあると言われています。
みなさん、いかがでしょうか。
私にも、多くの経験があります。
その3:ストレスとマインドフルネスの関係
実はとても、シンプルな関係があります。
刺激を受け、不快だと思った時に我慢して、なかったことにしたり、あらがったりするときに、少し立ち止まり、ああ不快だなぁと味わい、ついついやってしまう行動のほかに何か選択肢はないだろうかと探索することです。
しかし、それはすぐにはできないかもしれません。だって、不快だということに気づいていないからです。不快に気づき、不快と共にいる間合いを育てる必要があるのです。
その4:マインドフルネスの練習
不快に気づき、不快と共にいる間合いを育てることは、緊急事態の中で行うことはできません。緊急事態はどんなことがあっても身を守る必要がある時だからです。
少し余裕のあるときに、少しずつ育てる必要があります。
おすすめは、心地よい感覚の終わりを味わうこと。
鳥の声、食べ物の味、葉っぱが落ちていく風景、肌で感じる風、石鹸のかおり。
ただ、人によっては、どのような刺激でも負担になることがあることも覚えておいてください。ある人にとって、みかんは心地よい象徴かもしれませんが、みかんが恐怖の対象になる人がいてもおかしくないのです。
そして、五感があることから育て始め、体の内側の感覚、感情を観察できる、考えを観察できるの順で育てることがいいのではないかと私は思っています。
ここまでにも書いてきたように、心地良い、心地悪い、どちらでもない感覚も、同時にそこにあるのです。そして、いつかは、いずれの感覚も変わっていく。そして、何一つ関わり合いのない関係は存在していないということです。
この文章を読んでいるあなたとこの文章にも関係性があって、文章だけでもあなただけでもこの時間は無いのです。
そして、こうした練習の結果、注意の制御、身体への気付き、感情の制御、(対人的)行動の制御などの力が育つと言われています。
現代社会は情報に溢れています。とても考えることが多いのかもしれません。ついつい感覚への意識が薄くなり、不快も感じられないことが少なくないのかもしれません。
まずは、感覚があることを確認して、ついついしてしまうこととの間合いを作ってみるのはいかがでしょうか。
もしも育ててみたいと思った方は、こちらの案内をご覧ください。
2ヶ月をかけて一緒に育てる時間を過ごしていきます。