#ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと 『フルーガル・イノベーション』
「ふ〜ふ〜がるるるる」
ボクは小学生の頃、ブルドックに噛まれたことがある。
実家が風呂の工事をしていて、しばらく、祖父に連れられ銭湯にいっていた時のことだ。
自宅から銭湯までは自転車だ。
その道すがら、二匹の犬を連れたおじさんがいた。
一匹はミニチュアピンシャー(ちっちゃいドーベルマン)
そして、もう一匹が、そのブルドック
交差点で信号待ちをしていると、「ふる〜ふる〜」「がるるる…」という唸り声が徐々に近づいてくる。
いやだなぁ、いやだなぁ
怖いなぁ、怖いなぁ
と、思っていたのも束の間、ガブっ!
ブルドックに太ももを噛まれた。
自転車ごと転び、ボクは泣き出し、その場は騒然となった。
そのブルドックはボクの足から離れたあとも、「ふる〜がるる、、、」と、唸っていましたとさ…
ということで、
「フルーガル・イノベーション」という言葉を聞いた事があるでしょうか?
フルーガル(質素なとか、倹約的なとかって意味)な資産で最大の効果を発揮するようなイノベーションです。
小さい資産を不利と考えるのではなく、効率化よりも機敏さ(アジャイル)を活かそうという手法です。
現在のコロナ禍において注目されるべき手法だと思います。
企業は現在のコロナ禍の中で資産を使えない。それほどまでに追い込まれています。そういう時にマネジメントは、なにをするかというとコストカットです。分かりやすいですからね。
しかし、このコストカットをずっと続けていく訳にはいかないのです。
ここで登場するのが、フルーガル・イノベーションという事です。
フルーガルイノベーションを実現するためにはいろいろとあると思いますが、個人的にはやっぱり「ダイナミック・ケイパビリティ」の考え方です。
DXの本質でもダイナミック・ケイパビリティを取り上げいますので参考にしてみてもらえると幸いです。
フルーガルという事で資産が使えない、コロナの影響により資産が小さくなってしまった。そういった時に資産を再配置、再編成して素早くチャンスを掴む能力を養うという事がコロナ禍におけるフルーガルなダイナミックケイパビリティです。
ここで、やってはいけない注意すべきことは、資産からイノベーションを考える事です。
これでは、まずもってイノベーションは起きません。
小さい資産でイノベーションを考えるのではなく、イノベーションを考えて実現する方法をフルーガルにするのです。基本は顧客、市場、社会的な課題に目を向けてイノベーションのアイデアを出すことです。
その環境下で、そのイノベーションを実現するには限られた資源でどうするかを考えなければいけません。
このような環境だからこそできるフルーガルでアジャイルなイノベーションを起こせた企業が、今後生き残っていくのだと思います。
最小限の資源、コストで、最大の価値を生み出すことです
通常はトレードオフと考えるところをこれからは、まずトレードオンを考えていくことが求められます。
このためには、まずは意識改革が必要です。
トレードオフで考えることを禁止する。
コストをかけて良い製品を作るのではなく、コストをかけず、最小の資源で最大の価値を提供するということです。
ポイントは、良い製品と最大の価値は異なるという事です。
こうしたフルーガル・イノベーションにより創造された商品やサービスは顧客に最大の価値を提供するだけではなく、他社からもマネされにくくなります。
では、どうしたらフルーガルイノベーションが実現できるのか考えてみます。
#まずは、意識改革をする
常にトレードオンで考えること
最小の資源で最大の価値を
KPIを設けてその制約の中でイノベーションを実現する
#アジャイルな組織にする
小さな組織で素早く判断ができるように権限を委譲する
#クラウドの活用
全てを自社で実現せずクラウドで代用できるものは代用する
この3つが基本です。
他にもフルーガルイノベーションを実現する要素はありますが、この3つをしっかりと意識することです。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。このような環境でフルーガル・イノベーションを実現していくことは必然になります。
そういう文化を作った企業が、継続的に成長していくではないかと思います。
最後に昨日、千葉真一さんがコロナによる肺炎で亡くなったという訃報が飛び込みました。
御冥福をお祈りします。