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キッコウハグマ、今年最後の野草?
初冬に咲く可憐な花、亀甲白熊
秋の始まりから咲き始めるキク科の白熊四姉妹(しろくまではなくはぐま)と勝手に名付けている最後の花だ。
一番乗りは「柏葉白熊」(かしわばはぐま)、ついで「朮」(うけらまたはおけら)、次は「高野箒」(こうやぼうき、低木)、最後が今咲いている「亀甲白熊」(きっこうはぐま)。
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キク科の仲間で、姉たちの三種は小さな花が10から20個くらいたくさん集まって一つの花を構成している。これらは背丈が50センチくらいにはなるので、花の少ない山野ではよく目立つ。それに比べるとあまりに小さい末っ子は、伸びても20センチに届かない。さらに小花も3個しかない。なのでしっかり一つ一つの存在が確認できる。それは先がクルンとカールした純白の花びらが5裂、シベがそれぞれ1本、とてもシンプル。でも巧妙。シベは雄シベの期間と雌シベの期間があって楽しめる。花も自家受粉した閉鎖花も羽毛のついた実をつける。
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名前の由来
根元に広がる小さい葉っぱが亀の甲羅のような形から「亀甲」、「白熊」はチベットなどに住むヤクという動物の尾の毛で白く光沢があり、払子(ほっす)や旗や槍、兜などの飾りに用いるものに似ていることかららしい。染めたものに「黒熊」(こぐま)「赤熊」(しゃぐま)もある。
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見つけかた
でもそう簡単にこの花に巡り会えるわけではない。株は1年中日陰のやや湿り気のある林縁に見られるが、花はほぼ閉鎖花で、白い花を開くのは全体の1〜2割かと思われる。
見つけるコツは、まずは放射状に広げた亀の甲型の葉っぱを見つける、これもちっちゃい。目線をできるだけ足元に近い位置に落とす、50センチ四方くらいを集中して眺め、白いものを探す。今年見つけたところは来年のために記録する。周囲の目印を記録しておくこと。この季節、木陰は冷えるので防寒対策とトイレの場所を確認しておいた方が良い。今年は冷え込みが遅いせいか花期も遅れている。