❖読書:学び直しの高校物理
高校時代、大学受験のために高校物理は本当に勉強した。
当時は解けない問題はないくらい演習に取り組んだが、全く忘れてしまった。受験勉強だったのでテクニックばかりを覚えていたと思う。
何か、自然に起きていることを観察・分析し、何かの法則を求めてみようなどと考える暇など一秒もなかったと思う。
テストで点数を獲得するために物理を履修していただけだった。
その後、社会人になって高校物理が何の役に立ったか?
正直、よくわからない。
むしろ、化学の方が仕事に役立っているように感じる。
しかしながら、物理にしても化学にしても昔の人がわからないことを解明しようとしたポテンシャルには感服する。探求心が凄い。
現代に生きる我々は、何かわかったような気をして日常生活を過ごしているが、実はこの世はわからないものだらけなのだ。
人間には電磁波の中の可視光線しか見えない。
もし、人間に他の電磁波が見えたら発狂してしまうかもしれない。
そんなことを考えていた時、偶然目に留まったのがこの本だった。
正直、この場で小難しい話をするつもりは全くない。
宇宙物理学、素粒子物理学、相対性理論・・・理屈では何となくイメージできても現実問題、何なのかはよくわかっていない。
数式では何となくイメージできても、それが自然現象の何に関係しているのか、その実感がない。
その中でも実社会との関係が実感できること、それは熱力学第二法則だ。
エントロピー拡大の法則、秩序のない状態というものは拡大するのだ。
ここ数年、不確実性だとか将来よくわからないだとか、その手の話をよく耳にするが、そもそも確実な世の中など存在しないので、むしろそれは自然現象だと思っているのだが、何か?違うようだ。
時々、社内の研修で若手に質問することがある。
雲はなぜ発生するのか、そもそも何で雲は白いのか、何で空は青いのか、何で夕日は赤いのか、これまで回答した人はいなかった。
それって、物理学と言うよりは自然科学の世界なのだが、あまり関心はなさそうだ。昔の人は真剣に考えたのだろう。
私は常に言っている。
この世で起きていることは、熱力学第二法則で証明できる。
エントロピーは拡大する。
だから、どうするかと考えれば、それでいいのだ。