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#出版社社員が選ぶ本 7月読書感想文 M先輩編「読書感想文、大人になった今書くならどんな本?」

こんにちは。青月社企画編集部です。


8月に突入してから、はや1週間が過ぎ去ろうとしていますが、7月のテーマだった

「読書感想文、大人になった今書くならどんな本?」

を続けてお送りさせていただきたいと思います。


学生さん方はみなさんまだ夏休み中、そして先延ばしにするタイプはまさにこれから読書感想文と格闘することでしょうから…どうかご容赦くださいね。

学生の頃、夏休みだけがどうしてあんなに早く過ぎ去ってしまうのだろうと思っていました。気持ちよく昼寝してたら1日終わっちゃうし。

夏休みももう折り返しに入ったかと思いますが、どうか思い出に残るような素敵な夏休みを過ごしてくださいね。一日中寝ちゃってたな、なんてそんな日も、きっと大人になってからは宝物のように思い出されますよ。


今回は先輩編集Mさんのご紹介をお届けいたします。


『赤と青のガウン』彬子女王

📕『赤と青のガウン オックスフォード留学記』PHP文庫

✒️彬子女王

PHP研究所(2024)


本書カバー


この留学記には、彬子女王という人間の人生の記録として、楽しかったことも辛かったことも
すべて正直に書き綴ってきたつもりである。
これが、私の留学生活を暖かく見守って下さったすべての方たちへの、私の心からの
感謝の気持ちを込めた「最終報告書」である。(本書「25 不撓不屈」より)

本書「25 不撓不屈」より

女性皇族としてはじめて博士号を取得された彬子女王殿下のオックスフォード大学留学記。

日本を離れ、側衛官をつけずにロンドンで過ごされた青春の日々が綴られています。


オックスフォード大学での寮生活や、ヨーロッパ周辺諸国への旅行の様子が描かれており、ヨーロッパ文化に関心のある私にとって非常に魅力的な記述が多くありました。また、エリザベス女王からバッキンガム宮殿でのアフタヌーン・ティーに招待されるなど、"日本のプリンセス"ならではのエピソードには心が躍ります。


一方で、厳しい指導教官ジェシカとの闘いや、大英博物館での大発見、そして胃炎を発症するまで苦難を極めた博士論文の執筆など、オックスフォード大学院生・日本美術研究者の記録としても大変読み応えがあります。特に、上記のジェシカ先生の厳しい課題に苦闘しながらも、すべてを期日通りに提出した唯一の学生だったというエピソードは、学生時代に読んでいたら自分の勉強にももう少し力を入れられていたかもしれません。


皇族として、また研究者としての歩みが親しみを感じさせる文章で綴られており、彬子さまと周囲の方々のお人柄が温かく伝わってくるエッセイです。


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いかがだったでしょうか?7月編、もう少しだけお付き合いくださいね。


8月編の予告は「積読」です。それではまたお会いしましょう。

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