つくる、つながらない、とどかない(2024)。
昨年の大晦日に自分自身の一年間を振り返る「つくる、つながる、とどかない(2023)。」という記事を書きました。備忘録として今年も自分の一年間を振り返ります。
◎2024年(令和6年)を振り返る
DTMのことを知ってバンド結成に見切りをつけて
ソロで活動を始めたのが2014年でした。
今年はソロ活動開始から10年の節目の年となりました。
このnoteを書くに辺り今年一年を振り返りますと、
音楽活動を始めて以来最大の成果と、過去10年間にやらかした
失敗を清算した実りある一年でした。
・音楽活動開始以来、最大の成果
今年最大というよりこれまでの音楽人生で最大の成果は、
(公益社団法人)日本作曲家協会の入会が承認されたことでした。
※以下、このnoteでは(公益社団法人)は省略して日本作曲家協会と
記入します。
10代の頃に音楽と出会い、音楽性や活動内容、活動地域を変えながらも
今日まで音楽活動を継続してきました。
これまでバンドマンとして、またソロアーティストとして活動してきましたが全く注目されていません。
自分が作曲した曲の動画をYouTubeにアップロードしても全く視聴されず、
自分はこのまま無名の自称アーティストとして死ぬのだろうなと
思っています。
音楽で自立したいという目標は未だ達成できていません。
自らが表に出てアーティストとして売れることは無理でも、
作曲して他人に提供するという方法ならば音楽で自立できるのではないか?
ロック・ポップスでは今時の若いアーティスト・クリエイターに太刀打ち
できないが、作詞、作曲、歌手と役割分担している演歌・歌謡曲業界ならば今の自分でも付け入る隙はあるのではないか?
という思惑から日本作曲家協会入会を目指すことにしました。
入会には書類審査と面接がありこの二つの関門を何とか通過しましたが、
無事承認されるかどうか通知が届くまで不安でした。
面接からしばらく経つと自宅に日本作曲家協会から封筒が届きました。
封筒を開封すると入会を承認する旨を伝える通知書が入っていました。
通知書を見たときはとてもうれしかったと同時に安堵しました。
自分が音楽家として初めて他者に認められたという誇らしい気持ちに
なりました。この日の夜は一人で祝杯を挙げ歓喜に浸りました。
・「布団の中のアーティスト」に出演、雪辱を果たす
神奈川県内を中心に行われている、ひきこもりの方参加型のイベント
「布団の中のアーティスト」は私のアーティスト活動において重要な
位置を占めております。
私が「布団の中のアーティスト」に関わるようになったきっかけは、
イベント会場で配布されるコンピレーションアルバムに
楽曲を提供したことでした。
イベントでは毎回コンピレーションアルバムを発表しているので、
その都度楽曲を提供することが創作活動の大きな支えになりました。
楽曲を提供することでアーティスト活動は軌道に乗り始めましたが、
楽曲を提供しただけでは自分のことを知ってもらえないと感じました。
自分のことを知ってもらいたいなら、やはり人前に出て演奏しないと
いけないのか?と思い始めた私は意を決してイベントに出演して
演奏することにしました。
これまでに4回出演する機会を頂きましたが、
4回とも演奏の内容は散々でした。
特に2年前に出演した4回目の演奏は本当に酷くて、
演奏終了後は激しい自己嫌悪に陥り立ち直れませんでした。
2年の時を経て5回目の機会を頂きました。
前回のようなミスは絶対に繰り返さないために万全の準備をしました。
人前で演奏することに慣れるために地元ライブハウスで演奏する機会を
増やし、演奏の練習の他に初の試みとしてメンタルトレーニングを
取り入れ今度こそ絶対に成功させる、という強い決意で臨みました。
万全の準備の結果、5回目の出演は自分史上最高の演奏ができました。
ようやく胸を張って見てくださいと言える演奏ができて誇らしかったです。
演奏終了後は今まで感じたことがない達成感を感じて気分が高揚しました。
2年前の雪辱を果たすことができました。
・3度目の正直「Sing a song together」
私のオリジナル曲「Sing a song together」は2014年にソロデビュー曲として
配信しました。
2年後の2016年に自費で制作したCD、1st EP「Yattomake(ヤットカメ)」
にはこの曲も収録しました。
2014年、2016年と2度リリースしましたがいずれも出来栄えには
納得できませんでした。
ソロ活動を開始して10年目の節目に改めてデビュー曲を再録音して
今度こそ納得できる作品にしようと決意しました。
曲の録音は順調に進みましたが、
録音後のミックスダウン&マスタリングが課題でした。
自分のレコーディング技術また自分が使用している設備では
更なるミックスダウン&マスタリングの向上は望めませんでした。
課題克服のためにプロのエンジニアに外注することにしました。
エンジニアとのやり取りが上手くいかなかった過去があったので
外注には不安がありましたが、今回は問題なくやり取りができて
自分が望む音質で曲を仕上げてくれました。
今では外注を依頼して良かったと思っています。
3度目の正直でようやく納得できる作品ができました。
・ソロベースは1曲のみ
私が作曲の他に行っている活動が、ベースだけで演奏するソロベースです。
毎年大体3~4曲ソロベースの動画をYouTubeにて公開しているのですが、
今年は1曲だけ公開しました。
今年1曲だけ公開したソロベースは、
先ほど紹介したイベント「布団の中のアーティスト」の主催者で
シンガーソングライター哲生さん(@tetsuo040500)のオリジナル曲、
「ひとりにしてくれ」を演奏しました。
今年は何故1曲だけしかやらなかったかというと、
「ひとりにしてくれ」のソロベースの難易度は
今までで取り組んだソロベースの曲の中で一番難しくて
練習に多くの時間を費やし、他の曲に取り組む余裕がなかったからです。
また「布団の中のアーティスト」は今年で初開催から10周年を迎えたので、
この曲を公開することで主催者哲生さんへ感謝と敬意を表したかった
という気持ちもありました。
今年のソロベースはこの1曲に自分の演奏技術の全てを注ぎました。
◎これまでの10年を振り返る
・絶望的に向いていないSNS
冒頭でも述べましたが今年は私がソロ活動を開始して10年目の節目の年に
なりました。
noteを含めたX(旧Twitter)などのSNSもこれを機に利用し始めました。
今年の12月31日時点で、Xでの私のフォロワー数は133人です。
noteにおいては56人です。10年利用してこの人数です。
人付き合いが苦手なところがSNSでも反映されたということでしょう。
ライブの回数、新曲の発表いずれも多くないので発信する機会も
少ない私にはSNSによる新規顧客獲得は絶望的に向いていない
と痛感しています。
・10年間の総売り上げ
私が制作した曲はTuneCore JapanやBandCampといった会社を利用して、
配信プラットフォーム各社からサブスク配信及びダウンロード販売を
行っています。
この10年間に売り上げた金額を公開します。
TuneCore Japanを通して配信プラットフォーム各社からサブスク配信
及びダウンロードで得られた金額は1,517円(小数点以下切り捨て)です。
次はBandCampです。BandCampでは2nd EP「Bad Trip」をダウンロード
販売しています(以前は「Yattokame」もダウンロード販売していましたが現在は終了しました)
ここでの売り上げの合計は37,96ドルです(為替なので変動はありますが
1ドル150円だとすると、日本円で5,694円売れました)。
記録には残っていないのですが、レコード店から取り寄せの注文と
ライブ会場での手売りで1st EP「Yattokame」はこれまでに2枚(2,000円)
売れました。
全部合計すると、9,211円
これが私がこの10年間、音楽で稼いだ金額です。
・10年経って思うこと
ソロ活動を開始して10年が経ちました。
始めた当初は、制作した曲はインターネットで公開して
自分は表に出ないという方針でした。
しかし、これではいつまで経っても自分のことを知ってもらえないと
感じたことから方針を転換して人前で演奏することにしました。
今はベースで弾き語りをしていますが、お手本がないので
毎回試行錯誤しております。
ベースの弾き語りを続けるのか、またはバンドを結成するのか
自分にとって何が良い方法なのか今後も模索します。
この10年間には念願だったCDをリリースしました。
しかし1st EP「Yattokame」を販売促進する大切な時に
外の世界と関わることへの恐怖から私はひきこもりになりました。
その結果、CDの販売促進は大きく躓きました。
「Yattokame」をどうすれば買ってもらえるのだろうかというのが
今の一番大きな悩みです。
・不滅の法灯のように
比叡山延暦寺は「不滅の法灯」と呼ばれている灯りがあります。
延暦寺開山以来、今日に至るまで燃え続けています。
今さら私が注目されることはありません。
勢いよく大爆発しなくていいので、この法灯のように粛々と
音楽への情熱が燃え続けて欲しいというのが私の願いです。
・終章
ライブでは自分史上最高の演奏ができたこと、
レコーディングでは過去2度録音した曲を3度目にしてようやく
納得できる作品に仕上げたこと、そして日本作曲家協会入会と
ソロ活動を開始して10年目の節目にふさわしい、
過去10年間で一番実りある年だったと思います。
CDを販売促進の件は永久の継続課題ですが、
それ以外は本当にうまくいった年だったと思います。
他人からすればこの程度で満足しているのかと嘲笑されそうですが、
凡庸で愚鈍な私には大きな成果でした。
この良い流れを来年も継続できたら良いなと思っております。
よいお年をお迎えください。