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日本の家の断熱性能は、最高レベルであって最低レベルだった…


おはようございます。
タイトルが何だこれは?!という感じですが、これが日本の断熱性能に対する実態なのです。

新築マンションや注文住宅の宣伝の謳い文句として、「断熱等性能等級4(最高等級)」というようなフレーズを、折込チラシやweb上等で、よく見かけていました。

確かに国が定めた基準と比較すれば、嘘ではないですが、世界基準と比較した場合、実は最低レベルになります。

要は、比較対象をずらした話をしており、この事が分かっていないと、広告を見た瞬間に「お~最高等級か~。なら断熱は大丈夫そうだな」と大抵の人は思うはずです。間違いなく、私もそう思ってしまってました。

等級4は、1999年に「次世代省エネ基準」で定められた古い基準であり、24年前に作成されたこの基準が維持された結果、今までの最高基準であった等級4は、先進国の中では最低レベルな状態でした。

しかも、G7の中で、住宅の断熱性能が義務化されていないのは日本だけであり、中国や韓国でも義務化されています。

このように断熱は、義務化ではなく、あくまで努力目標的な位置づけだったため、日本では当たり前のように「冬が寒く夏は暑い」というような断熱性能の無い住宅が、これまでに沢山作られてきたわけです。

とはいえ、世の中、世界がカーボンニュートラルな社会を実現を目指すために動いている中、さすがにこのままではまずいという声があがり、日本でもようやく本腰を入れ、2022年6月に省エネ基準の見直しが国会に提出され、成立されました。

Voicyパーソナリティの建築家の”断熱男”である竹内昌義さんが、上記の法案改正に向けて署名活動を呼び掛けてられていたので、当時私も微力ながら署名させて頂きました。

これにて、全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準「断熱等級4」の適合を義務付けられ、2025年以降はこれを下回る建物は新たに建てられなくなります。

また、断熱等級5~7を新たに設定され、やっと日本の建築の断熱性能に関して、意識が変わり始めてきました。しかしながら、脱炭素を実現するための省エネ基準をめざすには、既存建物の断熱改修をどう進めるか等、課題は沢山ある状況です。

建築物省エネ法」改正法




〇断熱の世界基準


では、日本の断熱基準は世界と比べるとに見て、どうなっているのでしょうか? ようやく日本で義務化された断熱等級4ですが、以下の通り、欧米で義務化されている世界基準では等級6、7であり、等級4等は論外であり、中国・韓国でも違法とされているレベルです。(UA値とは断熱性能を表していて、数値が低いほど断熱性能が高い)

般社団法人ロングライフ・ラボ


今までの日本の最高基準であった等級4では、上述の通り、1999年に作らた古い基準であり、世界基準で見れば最低レベルに位置します。断熱等級4の場合、以下の通り、冬の夜、暖房を切った場合、翌朝部屋全体の暖かさが均一に保たれているわけではないのです。つまりは、日本で最高等級とされていた等級4では、全然断熱性能が無く、不十分であるということです。

HEAD研究会エネルギー『断熱会議 2022』

HEAD研究会エネルギーTFチャンネル - YouTube
(詳細の内容は、是非You Tubeを見てみてください)

〇省エネ基準適合率


HEAD研究会エネルギー『断熱会議 2022』

現状の新築マンション、戸建てを見ると、等級4に適合している住居は70%を超えており、この等級4であれば、義務化となっても対応は難しくないと言えます。

ただ、その上の、ZEHレベル(等級5)に至っては、新築戸建てで25%、マンションではわずか2%しかない状況。つまりは、等級6=HEAT20 G2以上で作られている住居は、日本ではほとんどないという事が言えます。

日本人はどれだけ寒さを我慢して、暖房設備に頼って生きているんでしょうかね…(私も含めてですが…。)

これも全て、冬の家は寒くて当然という固定観念からきていますよね。日本は暖かいから大丈夫だろう、という先入観から、緩い基準が設けられたままの状態が続いてしまっていたのです。

夏の暑さや湿気を凌げれば良いとの考えから、風通しの良い家が好まれ、余計に冬の寒さについては、あまり考慮されないままできてしまいました。

私も全く抜け切れていませんでしたが、この事実(日本の家の断熱性能は良くない)を知ってしまった以上、自分ができる範囲内で、改善していきたいと考えています。

だって、今の時代、こんな車を販売しているメーカーから車を買いませんよね?でも、住居の場合、このような状態のまま(断熱・気密性能等も全く分からない)、多くの方が購入してしまっているんですよね。本当にこれは、不都合な事実だと感じています。

HEAD研究会エネルギー『断熱会議 2022』

ではでは、今日も一日頑張っていきましょう!

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