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発達障害の子ども達が何に困っていて、どんな支援を必要としているのか
小社から刊行の本を紹介します。
『発達障害の子ども達の理解と支援』井川 百々代 著
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東大阪で長年小学校教師を勤められ、退職後に特別支援教育を学び直しされた著者の井川先生。学ばれたことを取り入れ東大阪キッズ相談&学習室を開設されました。本書は特別支援教育に携わって17年の実践を1冊にまとめられたものです。
発達障害といわれる子ども達一人ひとりの特性を見極め、その子が何にしんどさを感じているのかをわかってあげることが支援につながります。その子に必要な支援や安心できる場所があり、自尊心が高まれば、ゆっくりであっても成長すると井川先生は言います。
本書の表紙イラストは、東大阪キッズの卒業生たちの進路を表わしています。大学に進学したり、イラストレーター、料理人、介護士、アスリート、JA職員などさまざまな職についています。
子ども達の自立を促すためには、自分の意志で取り組めるようになるまで待ってあげることが大事だそうです。
東大阪キッズでは粘土学習を取り入れています。まず出された課題に対してイメージされる物を粘土で形にします。さて、これは何でしょうか?
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次にその課題の文字を粘土ひもで作ります。この時の課題は「密」でした。
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「密」からイメージしたのが最初の粘土作品、人が密集した様子。この粘土学習なら漢字が苦手な子どもでも、楽しみながら学習ができるといいます。
残念ながら東大阪キッズ相談&学習室は2025年3月末で閉設されますが、本書が多くの方に読まれることによって発達障害への理解が深まれば、子ども達が安心できる場所が増えていくのではないかと思います。
『発達障害の子ども達の理解と支援』
井川 百々代 著/B5判・80頁・並製/本体価格1,200円+税
2025年1月23日発行
1月末に発売後、たちまち重版となりました。保護者の方はもちろん、特別支援学級に携わっておられる学校関係者にもぜひ読んでいただきたいです。