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清風堂のおすすめ vol.15(2023/12/17)
こんにちは、清風堂書店の谷垣です。
年末の風物詩、じんぶん大賞が発表されましたね。
今年はとにかく『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』が売れた年でした。発行部数は6万部(!)。当店でも100冊以上売れており、まだまだ売上が止まりません。そして、私が推していた朱喜哲さんの『<公正>を乗りこなす』(太郎次郎社エディタス)は13位でした。正直5位以内に食い込んでくるのでは、と期待していたのですこし悔しい気持ちもあります。
みなさんにとって、今年一番良いと感じた人文書は何でしょうか。
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サイン本入荷しております
鳥羽和久さんにお越しいただきました
その日の晩は梅田ラテラルで『鬱の本』(点滅社)のイベントがあり、会場に向かう途中にお立ち寄りいただきました。『親子の手帖 増補版』と『君は君の人生の主役になれ』にサインを入れていただいています。
そして『鬱の本』には特典ペーパーが付いてきます。鳥羽さんが点滅社から依頼を受け、最初に送った文章が記されているのですが、結果ボツとなった文章とのこと。
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学生のうちに出会っておきたかった本ばかりです。
畑中章宏さん・若林恵さんがご来店
『『忘れられた日本人』をひらく』(黒鳥社)の共著者であるお二人が来店されました。こちらも、その日の夜にトークイベントがあるということでした。お二人のサインを入れていただいております。共著者そろってのサインはイベントでもない限りなかなかありません。貴重です。
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これから出る本
『構造と力』浅田彰/中公文庫
とうとう文庫化です。単行本が出てから40年がたちますが、なぜこのタイミングで文庫となるのか。40年という節目もあるのかもしれませんが、そこには時代状況というものが大きくかかわっています。以下の記事を読めばよくわかるはずです。
その場の雰囲気を理解し、他人と異なることをしたり言ったりしてはいけない。相手の気分を害するようなことは避けるべきだ-。そんな態度を、浅田さんは「上から目線で手心を加えるのと同じ。本当に他者を尊重するのなら、必要なときは真っ向から論争すべきだ」と批判する。
「意見の同じ人と群れるのはつまらない。意見を異にする人とこそ付き合い仲良くけんかしてほしい」。そうした真剣勝負を通じて「お互いが変化し続ける。そんな活気にあふれた社会を目指していくべきです」。
本書はフランス現代思想を紹介した一冊です。40年前に刊行されたとき、その難解さにもかかわらず飛ぶように売れたそうです。しかし今回は当時とは違った文脈で、本書の再解釈がされていく予感。どのような書評が出るのか今後も楽しみです。当店には来週入荷します。
ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』が入荷
2024年2月の100分de名著で取り上げられるこちらの本。当店に入荷しております。
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こちらの棚では後日、プラグマティズム選書フェア(仮)を開催予定です。鋭意準備中。講師の朱喜哲さんをはじめ、各界の専門家の方々にもご協力を仰ぎ選書していただいています。リストは後日、店頭で小冊子として配布する予定です。品切れ(絶版)になってしまっているものが多く見受けられますが、本番組をきっかけに重版とならないものでしょうか・・・。
(終)