光り物ではなく溶かすもの
初めての日本海に面した街、センターライン上に不思議な突起物があることに気がつき例のドライバーさんに尋ねてみる
「これは夜光るんですか?」
「いや光りはしないけど…」
そう、地元の方には当たり前すぎる問いだったらしく、当初の目的である仕事の合間にあらためて尋ねてみると明確な回答が…
「この辺りは井戸水が豊富で、雪が積もるような日にはここから水が出てきて雪を溶かすんです」
なるほど、テレビで観たり物の話には聞いたことはあるのだが、実物を目にする事がなかったため、記念に何枚か写真を撮ってしまうオジさん。
あとで調べてみると「消雪パイプ」と言われる長岡発の仕組みらしく、水とは言っても井戸水なので水温が13から14度程度と安定しているらしい。
こういう仕組みが必要のない街に生まれ育った身としては、センターライン付近にあるものは光るものだと思い込んでいたが、そうなんですねぇ。
それでもここ数年の雪はドカ雪に見舞われる事が増えているらしく、例のドライバーさんは仕事帰りに除雪車も間に合わず、ナンでも帰るのにいつもの帰路で5時間ほどかかり、帰宅困難になりかけたことがあるとか。
たまに外から楽しみ(いや仕事だろ)で訪れた者には日々の暮らしに思いが及ばないことの方が多い。
ということは、水がある程度豊富な街なのでもしかすると今熊本県大津町で話題のTSMCのようなテック系の工場などを誘致することも考えられそうな…
いや工場誘致には様々な条件が必要なので、そんなに簡単にはいかないだろうけど、この街は熊本県大津町などより海に近いので、輸出には向いているのではないかと頭に邪推が走り抜ける。
現にこの街には飲料水の工場があるので、テック系の工場ができると排水の問題が起きるであろうことは想像に難くない。
それこそ昨今頭デッカチな方々が声高に謳いながら忘れかけ始めているSDG'sを突き詰めて、これらの問題を解決できるようになれば世界から見て低賃金で勤勉な日本に、もっと海外資本を投資させる事が可能になるのではないだろうか。
まぁ、小さな私の頭脳じゃその程度しか思い浮かばないなぁ。