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【鎮魂歌 捧ぐ詩/ 詩 散らかる文 青紗蘭】

 

朝。久し振りに風の優しい声を聴いた。
花々を抱き、神社にお届けした帰り道のことだった。

ふと、死とは穏やかだなぁと感じた。
ただ、そう感じた。

確かに散ってゆくだろうし
確かに消えてしまう。

けれど、美しさは地球の記憶に遺り
宇宙すら観ていた。
その場所からは去ってしまうが、
見つめた者の中に確かに遺る。

どの瞬間も。

人は、還る為の道を歩むのか。
人は、今を生き続けるのか。

どちらにしても、その他にしろ
死は穏やかさ。
あらゆる命に見送られる旅路。

此岸と彼岸。
境界線が曖昧になることもあるのだろう。望まぬ場合もあるだろう。

それでも、あなたが居たことは
あらゆる命が憶えている。

生きているときに命を感じられたら。
穏やかに生きることもできるやもしれない。

たった一人だと、孤独にある人さえ。
一人が相応しいと狷介さの中にいる人さえ。

あなたを見守って居てくれた
人が居るよと。

あなたの道をともに歩いた
地球(星)が在るよと。

あなたを遥か彼方、
宇宙が包んでいたよと。
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鎮魂歌。
ウクライナの友人に、捧げます。

友人には、もう触れられない。
それでも、私の中に彼が遺してくれた記憶と笑顔がある。

だから、本来の彼らは痛みから解放されて、
穏やかさの中に今は、あるのだと想う。

死は、何も奪わない。
死は、訪れるだけ。

「死が何かすると恐れるなら、
命に尋ねてごらん。
やさしく穏やかに教えてくれるよ。
未来をよろしくね」

そんな風にふと慰められた気がした。


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青紗蘭 (せい しゃらん)
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