【サフランスパイス】
最も高価なスパイスで、やはり高価なバニラの10倍、カルダモンの50倍の値がついています。利用するのは干した糸状の雌しべで、2万本集めてやっと125グラムにしかならない小さなものです。ひとつの花から3本しか採れず、しかも手で摘み取らなくてはならないので高価になってしまうのです。
いつから?
最初は、小アジアで栽培されてちたと考えられ、東地中海地方の古代文明の記録にたびたび登場しています。エジプト人やローマ人も料理や酒の色付けの目的や、香水、薬などに幅広く利用していたようです。やがて7世紀ごろまでに、中国でも知られるようになり、薬効や香り付けに使われるようになりました。10世紀にはスペインでも栽培されはじめますが、これはおそらくアラビア人たちによって運ばれたのだろうと考えられます。11世紀には、フランスやドイツにも広まり、14世紀にはイギリスにも渡ります。この長い間ずっと、サフランは高値で取引され、混ぜ物をしたりした者には、死刑をも含む極刑が課せられたほどです。
口の中に長く残る独特の香りで、刺激と苦みもありますが芳しい風味です。少量でたっぷりの料理を味付けでき、料理を美しい金色に染めます。今は昔に比べると需要は減っていますが、スペインではサルスエラ、パエリアなどの魚料理や米料理には欠かせないスパイスです。フランスでは魚料理、特にブイヤベースに使われ、イタリアではリゾットを作るのに利用されています。イギリスにはサフランケーキというお菓子もあり、また、シャルトリューズなどのリキュールにもサフランが入れられています。
薬用では?
インドでは、利尿剤のほか、消化器官の疾患に利用されています。ビタミンB2リボフラビンを多く含みます。
#スパイス図鑑 33ページより
花言葉「陽気」「喜び」「愉快」は、サフランを薬として服用した時に鎮静効果があり、気分を晴れやかにすることに由来するそうです。