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【スーマックスパイス】ウルシ

【スーマック】ウルシ
 見た目にも美しいウルシ科の灌木で、中近東一帯に広く原生しています。赤くすっぱい実が穂状になり、これを乾かして深いレンガ色になったものをホールまたは粉末にして中近東の料理に使っています。フルーティーな酸っぱさがあるために欧米ではレモンの絞り汁や酢のように使われています。レバノンでは特に人気の高いスパイスで、どの家庭にも常備されています。
 ローマ帝国時代のローマ人は、ヨーロッパでレモンが使われるまではスーマックを酸味づけに使っていたことがわかっています。ま、北アメリカのインディアンはRhus glabraという近種の赤い実をサワーをサワードリンクにしていました。現在ではあまり知られていないスパイスですが、中近東の食品を扱う店などには、赤紫色の粉末のものが見られることがあります。 中近東では広く用いられているスパイスで、レバノンやシリアでは魚にふりかけて使い、イラクやトルコではサラダに使われています。またイランやグルジアではカバブという民族料理の調味料になっています。レンズ豆や玉葱をヨーグルトであえたものに混ぜ、ローストチキンの詰め物にするのにも向いています。
 薬用では、中近東諸国ではお腹の具合が悪いときにサワードリンクにして飲んでいます。 
 樹皮や葉は染料や皮革製品の仕上げにも使われています。

#スパイス図鑑  55ページより



 

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