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思索

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絵本の表現を探して
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私の黄色い道 〜『ジャリおじさん』編者澤田精一の講演会を経て〜

私の黄色い道 〜『ジャリおじさん』編者澤田精一の講演会を経て〜

「すぐに答えを出さないこと」
白き髪の大柄男は、私を射るような眼差しと優しい口調でそう言った。

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今月は実りの多い1ヶ月だった。絵本出版に携わる方々や学生仲間、多くの人が話を聞き、問いかけ、私の思索を助けて下さったのだ。
この頃、私は内宇宙から〈私の言葉〉を発見し〈私の声〉を放っている実感があり、それを受け止めて下さる方々への感謝の念に堪えない日々を送っている。

11月22日、おだわら市

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絵本の再読について

「絵本は最も心に近い芸術である」というのが私の主張だ。現在執筆中の卒業論文は、科学と情報化の進展により資本主義が終焉に向かうさなか、主観的価値判断を求められた現代人に提示された精神的課題(人は何のために生きるのか・無気力化、無責任化、無関心化)とその救済としての絵本を考えるといった内容である。

絵本が最も心に近いと述べる理由に(1)”絵”と”ことば”の相互作用(2)ページの連続性による能動的な記

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