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あんた達には 好かれたくないから。
春から夏へ 山へのトレッキングに親しむ中で つい忘れがちになってしまうのが虫刺され対策。しっかりとした装備を整え出かける登山ではなく、ランニングスタイルのような服装で2時間もあれば往復できてしまうような低い山。つい油断して、必要な対策を忘れてしまう夏の始まりの頃である。
そ知らぬふうで忍び寄り 刺すどころか触れる感覚も感じさせない見事なテクニックで「なんか かゆい…」と感じた頃には 膨らむ肌の刺し後は
すでに3つ、4つ。時折 パンパンに膨らんだ重たそうなお尻で満足そうにフラフラと宙を飛んでいる輩を見つけようものなら 瞬間に両手で挟み撃ち。隣にいる人の顔付近でも思わず横面を叩いてしまいそうな勢いで 熱くなってしまう。そんなこともありがちだよね、と想像を巡らせながら、次こそは長袖にするぞ、とか うちわを持参するとか虫除けスプレー対策をすると、固く心に誓うんだけど、たいてい2・3回は忘れてしまいます。
そうして再び テンテン模様の蚊にしてやられ、やっとのこと私の場合は虫除けスプレーの吹きかけによるその効果を実感し、小さな喜びをかみしめた次第でした。
以前、刺されやすい血液型があるとかないとか?どういった人が刺されやすいのか、特徴は?など TV番組でやっていたのを見ていた気がするが、確かな信頼ある結果は出てなかったような気がする。ただ自分としては『刺されにくい』側だという思い込みでもいい、何か安心感のようなものが欲しかったかもしれない。
なんでこんな話を記事にしようと思い至ったか。
とにかく蚊も含めて 血を狙いに来たり、毒をお土産においていくような虫たちに好かれたくないのだ。つい先日、やはり山へのトレッキングの終盤、左足のひざ裏に何か細い枝で突かれたような軽い感触があった。
その日はハーフタイツにランニング用の半パンツ姿。ふくらはぎ生足で、虫除けスプレー済み。
「なんだ…?」と体をひねって見てみる。
「なんかいる!! なんだこれは…?」
何かが足に引っ付いている、と認識するや否や衝動的に左足をブルブルと振ったり 振り払う感覚で地べたを数回踏みつけて、心は瞬間「ぎゃぁ〜!あっちへ行け〜〜〜!!」と叫んでた。
もうその時点で引っ付いている者の確認もなにもできない。
軽いパニックになりながらも
『色は茶系。ちょっとした大きさがあるが、縞柄は無いようなのでスズメバチではないようだ。でも変なカタチに見える。一見セミの脱け殻のようなヘンテコ…。そんなはずはない。脱け殻は宙を飛ばない。』
振り払うことで軽い痛みを感じた気がした。
気がつくとひざ裏に姿は無くなってて、飛んで行ったような気配がないんだけど 地面にも落ちていないし…。 いったい何だったのか?
虫に刺されたというより、噛みつき引っ掻かれた感じである。
こちとらウォーキング途中で 佇んでいたわけではなく動いていた。
にもかかわらず 何処からともなく何かがやって来て 足に引っ付いた。
勢いで足を振ったから、びっくりして 奴はしがみつく。噛み付くことで振り払われまいとしたのかもしれない。
状況を考えてみただけで、虫側の立場を思いやったわけではないが…。
実際、噛み跡から僅かに出血。少しづつ腫れ上がって赤くなってきた。
やはり刺されたというより 引っ掻かれた傷口が チクリと痛い。
何だかわからないから、微妙に不安。
調べようにも姿形がはっきりしないので、どうすることもできない。
とりあえず見守るしかない。
あんたは何者?
羽を休めようと飛んでたら、そこに私の脚があったのか?
茶色でカタチは小さなエイリアン。
が、ショックとおぞましさはもう忘れた。
ふと、頭をよぎるのは
生きものを滅ぼす魔物ではなくて、
クモから力を得たスパイダーマンのようなら いいのに。
(映画の見過ぎか…。)
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