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中国の政治家から学ぶ中国語(2)
今回は中国の政治家の言葉から中国語学んでいこうシリーズ2回目です。キーワードはこちらになります。
接地气
この言葉。皆さんは中国の新聞やメディア、人々の会話などで耳や目にしたことはありますか?この「接地气」を、中国語の文字通りに直訳するならば、「大地の気に触れる」ということになるでしょうか。
要するに、地面から湧き出てくる「自然のパワーをオラにくれ!!元気になる!!」という解釈になりますよねw。
ただこの「接地气」なのですが、あまりこの意味でつかわれることはないように思わます(私の個人的見解です)。家電製品の「アース」を設置するという訳にも使われるので、その意味で「知っているよ」という人もいるかもしれません。
しかし実は今はそこからさらに派生して、「地に足を付けて着実に物事を行う」という意味でも使われるようになっているようです。
一方でこの「接地气」という言葉。中国の指導者の動静を日時追っているチャイナウォッチャーの人なら、「ああ、あれね」とピンときた人もいたかもしれません。なぜか。習近平総書記が講話や演説でよく使う言葉だからです。
例えば中央テレビの定時ニュース「新聞聯播」などでは習近平総書記などトップリーダーが地方に視察に行った、などといった報道があったりするのですが、その中で習近平総書記が地元の政府関係者や政治家に向けて「接地气」という言葉を使う場面に遭遇することはよくあります。
ただ、この場合の「接地气」は、先ほど私が挙げた意味合いや解釈とは少々異なります。
要するに習近平総書記など共産党のトップリーダーがこの言葉を使った場合の「地气」は地面ではなく、「地方の政治家を取り囲む地元の人民」のことを指す解釈に変わるようです。つまり「接地气」は「中国の大衆と触れ合う」という意味になるというわけです。
具体的には、習近平総書記が地元の政治家に対し、「政治家たるもの、庁舎に閉じこもって会議ばかりをするのではなく、もっと外にでて大衆と触れ合い、大衆との結びつきを濃いものにしなさい」という文脈の中で使われる語句だと言えるでしょう。
実は胡錦濤政権以前はこの言葉が政府・政党関係者の口から出てくることはありませんでした。私自身は少なくともこの言葉を耳や目にしたのは習近平政権になってからの講話の中であり、初見の翻訳の時は、「地に足を付けて」という訳でいいのだろうかと自問自答した記憶があります。
一方で「日常的に使っていい言葉なのか」と言われると、疑問が残るのではとも思っています。見るからに「北方味儿浓厚」だからであり、「土味儿浓厚」な言葉だからでもあります。習近平自身が、(北方の)農民や労働者階級の人たちにとって親しみやすい言葉だからと感じてチョイスした可能性は十分あると言えます。
このため、政治に詳しい北方人には伝わる可能性はありますが、南方人や台湾人には使っても伝わらない可能性の方が高いので取り扱いには十分注意したいものです。
私自身はこの言葉を日常会話で使うかと言えば・・あまり使わないかな(笑)でも、大陸のニュース記事や、新聞、メディアではよく使われている言葉なので、翻訳を生業にする人でなくても、解釈や意味合いを知っておくのは損ではないと思います。
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