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日本語っぽい中国語と中国語っぽい日本語
こっちもガチで答えますが、「できるようにしたい」という言い回しは多分に日本語っぽい表現で、そのまま訳したら日本語っぽい中国語(最悪中国語もどき)になりかねない違和感増し増しの文になります
— 明天会更美好 (@zhongwenfanyi) May 10, 2024
中国語っぽい訳にしたいなら「以」「以便」を駆使して二文節にする。
これがベストだと思いますよ https://t.co/5vsGtRxdxq
翻訳者として、中国語を日本語に、または日本語を中国語に翻訳しているといつも付きまとう問題があります。それは「日本語独特の言い回し(語句)」をどうやって中国語に落とし込むか、「中国語独特の言い回し(語句)」をどうやって日本語に落とし込むかといった問題です。
実のところ、中国語のニュース文を訳していると、文法的にはちゃんとなっているのに、「あれ?日本語っぽい中国語文だな」と違和感を感じる文章に遭遇することが結構あります。その時に文章をよく見ると、実は元々の日本人の発言を中国語訳したものだったというのは結構よくあることなのです。
ここで、日本語っぽい中国語、中国語っぽい日本語と言うのを見ていきましょう。
日本語っぽい中国語とはなにか。私は日→中翻訳は専門にしていないので、あくまで個人的な意見にはなりますが、まず一つ言えるのは「因为」「所以」「但是」などの接続詞の多用。「的」や「了」の多用かなと思います。あとは文節の置き方。カンマの使い方でしょうか。文ごとに主語を多用したりするのも「日本語っぽいなぁ」と感じるところです。
中国語っぽい日本語は時制の使い方の微妙な違いです。あとは中国語みたいにずらずらと取り留めもなく長い文章が続いたりとかでしょうか。
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ではこれらの「日本語独特の言い回し(語句)」や「中国語独特の言い回し(語句)」をどう「料理」したらいいのでしょうか。
もちろん皆さんも分かっていることとは思いますが、「原文通り」に訳すなら少々違和感あったとしても目をつぶり、グーグル先生(またはAI先生でもいいです)にお願いして訳文を作ってもらうのがいいでしょう。
それでも手の届かない言い回しはどうするか、その時には「≒」(ニアリー・イコール)な訳を持ってきて訳文に当てはめる必要があるでしょう。その判断とセンスこそが、翻訳者の最後の存在意義であると私は思っています。
この辺りの日本語と中国語の文章の違いというのは、私も自分のnoteの中で、「中日翻訳のノウハウ」として、何回かにわたって細切れではありますがいろいろ解説しています。「どう料理したらいいのか」というテクニックの部分については、興味がわいた方は私の過去のnoteを見直してみてください。
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一方で一般の中国語学習者(日本語学習者)の場合は少々異なります。
なぜなら、「そもそも」論として、「日本語独特の言い回しから中国語を絞り出す」「中国語独特の言い回しから日本語を絞り出す」という行動自体が、会話の中で「無駄」になる可能性が高いからです。
同時通訳をやっているわけでもなく、完全フリーな会話なわけですから自分自身が「頭の中でどう考えるか」「どう会話を組み立てるか」ということは完全に自由です。
「日本語独特の言い回しから中国語を絞り出す」「中国語独特の言い回しから日本語を絞り出す」という思考で会話をしてしまうと、その時点で双方の会話が止まってしまい、そこで「ああー、止まってしまった」と自分を責める結果になってしまいます。
中国語で話しているならば、「中国語で思考し」「中国語で会話を脳内で組み立て」「中国語を話す」という流れ。
日本語で話しているならば「日本語で思考し」「日本語で会話を脳内で組み立て」「日本語を話す」という流れ。
このような思考方法ならば、「日本語独特の言い回しから中国語を絞り出す」「中国語独特の言い回しから日本語を絞り出す」という思考が入る余地はありません。スムーズに会話が進みますし、むしろ一般の中国語学習者、日本語学習者はこのような思考方法になるためのトレーニングをしっかり積むことが最優先となります。
このようにすれば、「日本語独特の言い回し」「中国語独特の言い回し」に対する恐怖感を解消することもできるでしょう。試してみてください。
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