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信頼されないベンダーと信頼されるベンダー

こんにちは、AMBLのUXデザイン事業部のエドです。
本日は私の業務の目線で我々のようなデジタル領域で仕事をしている業務委託のベンダーについてお話しさせて頂きます。


1.はじめに

まず簡単に私の自己紹介をさせて頂きます。
年齢は40歳前後、新卒からずっとデジタル関連のエージェンシーに所属していまして、AMBLには3年前に転職してきました。
新卒から3年くらいはウェブ領域のコンサルタント。その後はずっとプロデューサーという職種で仕事をしています。

AMBLでは管理職ですが、7:3くらいでまだバリバリ現場に出ています。
プロデューサーというと、我々のようなウェブ制作をする会社毎に責任の領域が異なりますが、弊社のプロデューサーの業務領域・責任範囲は大まかに言うと以下になります。

アカウント業務
お客様と最初に対面し、目的や課題などのヒアリングを行い、自社の経営層やメンバーに説明したり、社内外のトラブル解決、契約、PJを円滑に進める環境整備やリソースのアサイン業務など。

プロジェクトマネジメント業務
大きな案件は弊社のプロジェクトマネージャーに任せますが、小~中規模の案件ではプロデューサー自身でプロジェクトマネジメント業務を行うことがあります。

グロースプランニング業務
単一の業務領域でお付き合いさせて頂くよりも多面的なご支援をした方が弊社のバリューを最大化できるため、お客様のビジネスの成長を見据えたプランニング業務及び付帯する調整・推進業務。

かなり営業職に似ていますが、営業職よりも若干業務領域が広く、沢山のお客様を相手にするというよりも、2-3社のお客様と長期的にパートナーシップを組んで共に歩んでいくための総合的なご支援を企画・推進する業務になります。

こういう業務を10年以上やっているものですから、お客様の悩みをかなり近い距離で聞くことが多く、今日お話しさせて頂く記事に関してもそこからヒントを得たものになります。

2.信頼されないベンダーとは

我々はお客様のプロジェクトマネジメント支援の業務をしていることも多く、お客様の立場で色んなベンダーさんとプロジェクト内で仕事をする機会があります
その一例をとって、本日はお話しさせて頂きたいと思います。

信頼されないベンダーの共通点

  • 1.プロジェクト進行がうまくない

    • コミュニケーションがうまくない

    • ドキュメンテーションがうまくない

    • そもそも企画・技術力など専門的な価値が出せていない

  • 2.自社の都合だけ貫き通す

  • 3.価格にあったサービスを提供できず、期待値を超えられていない

2-1.プロジェクト進行がうまくない

プロジェクト進行がうまくないベンダーさんが意外と多いです。
我々の業務委託では、日々のコミュニケーションとアウトプットで品質が決まります
この2つはどちらも重要な要因です。

片方欠けてもお客様にストレスがかかります。
昨今のマーケティングのご担当者様は様々なマーケティングソリューションやメディアの登場で、ケアすべき領域が広くなりました
こういったことを背景として、ただでさえお客様は忙しいので、業務を外部の会社に依頼するならば手間がかからないことが重要になります。

また、この業界は特にリモートワークが常態化され、前までは口頭で説明し、理解を得られていたものが、今はプロジェクトツールでやり取りし、その過程でドキュメントを通して合意を得る機会が度々あります。
ベンダー側がドキュメンテーションに慣れていないと、何を説明しているのかがイマイチ分かりづらく、結局電話やウェブ会議になってしまうパターンも少なくありません。そのため、コミュニケーションとアウトプット両方の品質がさらに求められる時代になりました。

コミュニケーションで言うと、説明がないベンダーさんも多いです。
こうなったらこうなりますよ、という説明がなく、(商慣習的に)こうなったら、こうなるのは当たり前じゃないですか、という論調ですね。
ベンダーの世界では当たり前でもクライアントの世界では当り前じゃないケースは往々にしてあります。
イメージ的には広告系の代理店さんはかなり柔軟に対応してくれる印象があり、SI寄りのベンダーさんは融通が利かない場合が多いです。
これは両社のビジネスモデルも関係ありますが、普通はトラブルになる前にきちんと説明するというのが定石です。PJ進行の問題ですね。

最後に企画・技術力など専門的な価値が出せてない。これはその領域の仕事がきちんと出来ていないということです。
そもそも、、、という感じはしますが、意外とできてないです。
お客様が「サイトをリニューアルしたい」という要望を例に話すと、表層的なデザインの話に終始するベンダーさんがいます。
サイトリニューアルだと、表層的なデザインやコンテンツの話の他に、SEOやアクセス解析、インフラ環境などリニューアルに付帯する事柄がついて回ります。

過去のお客様では、とある商品のページのリニューアルをデザインに強いベンダーさんに依頼しました。
デザイン面では満足のいく仕上がりにできたものの、リニューアル前は特定キーワードでGoogleの検索結果が1位だったのが、一気に圏外に落ちてしまったことがあります。そのベンダーがHTMLを検索エンジンに沿った構文で書いていなかったことに起因しています。この経験により、そのお客様は以後、ウェブ制作を専業とするベンダーさんに業務を発注しています。

2-2.自社の都合だけ貫き通す

次に「自社の都合だけ貫き通す」です。
プロジェクトを進めていく過程でクライアント・ベンダー共に様々な困難に直面します。その時に自社の都合だけを貫き通すと、クライアントが受ける物理的な損益の大小に関わらず、相手の心理面にダメージを少なからず与えます
相手の心理に立った時に、どれだけ相手を思いながら自社のダメージを少なくするか、この折り合いを相手方と検討の末に合意形成した場合は、逆にクライアントから信頼を得る場合もあります。

例えば、ベンダー側の制作進行のキーマンとなるディレクターをPJ途中で交代する時、単純に「同レベルのディレクターを別でアサインするので、大丈夫です!」と言い、お客様から「引継ぎ期間はどうするのか?」「(実際に交代して間もない時に)今までは分かっていたことが新しいディレクターの人は分かってないので、内部で共有してほしい」などの声が上がることがあります。こういうお客様の声を真摯に受け止めず、うやむやにして前に進めてお客様側にストレスが貯まるケースというのは往々にしてあります。

また、トラブルになった場合は取りうるべき打ち手が既に限られているケースも多いです。PJにおいてどちらが悪いというのは100:0で言えることは少なく、こういった差し迫った時こそ、自社の非は認めて謝罪し、逃げずに理解を得ながら建設的な結論に結びつけることが非常に重要です。

2-3.価格にあったサービスを提供できず、期待値を超えられていない

最後に「価格にあったサービスを提供できず、期待値を超えられていない」です。これは結果論、このようになるということです。
こうなると、ベンダーチェンジ等、ベンダー側にとっては最悪のケースの可能性が出てきます。前述の内容を営業やプロジェクトマネージャーといったプロジェクトを通して進行を担う主要メンバーがクライアントの様子に気づいてないと、こういったケースになります

基本的には、クライアントは契約を締結したベンダーには頑張ってほしいという想いがあります。これは自分の選択が間違っていないことを証明したいという想いや、そのPJの出来が自分のキャリアに直結するなど様々な要因がありますが、普通はそう思っています。
例外として、いきなり自分の上司が変わり、やり方が変わることがありますが、稀なケースでしょう。

そのため、クライアントはベンダーに違和感を感じたら、きちんとサインを出します。誠実なクライアントであれば、それを声に出して言います。その異変をベンダー側がどうキャッチアップできるか。お客様側の立場にいた時に、見て見ぬふりをするベンダーが多いのには非常にびっくりしました。
私共は一度契約すると長期になることが多いので、そういったクライアントが抱える我々に対してのストレスは真っ先に改善していく事を心がけています

3.信頼されるベンダーとは

これは、信頼されないベンダーで話したことの裏返しになります。

  • 1.PJ進行がうまく、いつも円滑に手間なくPJが進む

    • コミュニケーションが上手く、ホスピタリティに溢れている

    • ドキュメンテーションが上手く、伝えたいこと、何をすればいいかが明確

    • 専門的なバリューが高く、様々な打ち手を提案できる

  • 2.クライアントと自社の双方の意見を加味し、理解を得ながら結論に到達するべく物事を調整している

  • 3.価格以上のサービスを提供し、期待値を超え、毎回仕事の依頼がある

こういったことを心がければ、クライアントからも愛され続けるベンダーになるのではないでしょうか。今回は顧客から見たベンダーを記事にしましたが、一方でベンダー側から見たクライアントも見るべきポイントはあると思います。

次回はそういったことを記事にできればと思います。

みなさんの業務の一助になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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