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心不全療養指導士 試験対策

1)心不全療養指導士制度の目的

 現在の死因トップは癌だが、後期高齢者に限ると心不全含む循環器病の方が死亡者数で上回る。また、国民医療費に関してはトップ(約20%)。理由は、患者数が多い上に入退院を繰り返す病気であるため。平均寿命と健康寿命の面においても、乖離の原因は循環器病であると言われている。上記3点から循環器病の克服は重要であると日本循環器学会は考えている。現在、我が国における心不全患者の数は約100万人いるが、2035年までに132万人まで増えると言われている。その原因は超高齢化。治療法の進歩により心不全の予後は改善しているが、5年生存率は60%程度と決して高くない。
 2016年、日本循環器学会は「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」を策定した。目標達成のために1人材育成、2医療体制の充実、3登録事業の促進、4国民の啓発・予防、5研究の強化の5つの戦略を立てた。心不全は通常労作時の息切れから始まり、ほとんどの急性心不全は適切な治療により改善し退院する事が出来る。だがこれは症状が取れただけであり、以降は慢性心不全の状態となり入退院を繰り返す。こうして徐々に状態が悪化し、最終的には死に至る。この急性増悪を予防するためには、日常生活の管理・適切な運動や栄養の指導が重要である。そのためには医師のみでなく、看護師、保健師、理学療法士・作業療法士、管理栄養士、薬剤師など様々な職種が連携して総合的にサポートする事が求められる。この目標を達成するために、新たに「心不全療養指導士」制度が誕生した。

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