生き物なんだから、調子のアップダウンくらいあるさ
今私が、勤務先のグループホームで関わっている世界。
藍染め、醤油麹、味噌、畑。
全部生き物の世界。もっと細かく言うと、全部微生物の世界。
生き物だから、ご機嫌がある。個性もある。
調子よく働いてくれる時もあれば、いつの間にかお昼寝してしまっているときもある。
暴れん坊な子もいれば、穏やかで控えめな子もいる。
出来上がりの質からスピード、量を人間の思惑通りに管理するのはほぼ不可能だ。
だから、生き物相手に働くのは難しいとも言える。
でも、生き物だから、愛に応えてくれる。
ヒトの足音や声を聴いて、手のひらの温もりに触れて、変化していく。
それぞれのヒトが持っている常在菌との相性もある
そして、ヒトによって握力や体温も異なる。
だから、手で握るおにぎりは人によって味が違うし
手で染める藍染めは人によって色が違うし
手で蒔く種は人によって発芽率や育ちが違う。
猫や犬は、ヒトによって なつき方が違う。
微生物だってきっとそう。
そして、人もそう。
さらに難しいのは、ずっと戯れていればいいという訳でもないということだ。
そっとしてあげる期間も必要。
様子見と声掛けだけで、藍の染料をかき混ぜてはいけない期間
土をいじってはいけない期間
麹菌のコロニーを壊してはいけない期間。
ヒトだって、一人になりたい時もある。
生き物、微生物相手で働くのは難しいとも言える。
でも、彼らと働いている私たちだって、同じ生き物であり、皮膚や腸内に大量の微生物を飼っている(それとも、私たちが飼われているのか?)。
結局みんな生き物なんだから、お互い事情があるのは当たり前で、
だから私は藍にしろ麹にしろ土壌微生物にしろ、彼らの調子を尊重しつつご機嫌を取り、無理せずお互い様精神で付き合っていけたらと思う。
だって、微生物たちにとっても私たちって、調子のアップダウンが激しい生物と映っているのかもしれないし。ね。