わたし流。シードペーパーの使い方
最近インスタで行っているユーザー樣訪問シリーズ。好評のため、noteでもご紹介します。本日のゲストは、鎌倉市由比ヶ浜で現代アートを紹介するGalley Pictor(ギャラリーピクトル)のオーナー、中島紗知さん(写真右)。
いま行っているクラウドファンディングをご支援いただきました。リターンは名刺サイズの活版印刷です。
シードペーパーって結局どうやって使うの?、というご質問に、彼女へのインタビューを通してお答えしたいと思います。
シードペーパーの使い道
「新しい企画のショップカードにしたいと考えてます」とのこと。
「名刺って私はとっておくので、あまり埋めてもらえないと思って。ショップカードならあとで埋めて花を育ててもらえるかな、と。封筒もいいなと思います。封筒って開封したらほとんど捨てちゃいますよね。捨ててしまう紙がシードペーパーだったらいいですよね」
ギャラリーを始める前からサステナビリティに関する仕事にも関わっている中島さん。元々環境に配慮した商品に関心があり、シードペーパーには興味があったそうです。「ある時、所属するチームの主催するイベントに行ったら、お客様へのサンキューカードにシードペーパーが使われていました。私が紹介する前に、すでに使っていたんですよ」
Gallery Pictorについて
Gallery Pictorは、2019年にオープン。鎌倉・由比ヶ浜通りの中ほどにあります。2階から3階へ回廊する、透明感あふれるすてきな雰囲気のギャラリーです。
年間の企画テーマがあり、彼女がキューレートした作家さんがそのテーマに沿って、ひと月ごとに個展を行なっています。家から近くなったこともあり、休みの日にフラッと立ち寄って静寂の時間を過ごすのがとても心地よい空間です。
他にも、建長寺や浄智寺の茶室など、歴史ある鎌倉の建物を会場に、テーマを拡大した企画展も展開されていて、中島さんの世界がギャラリーを飛び出し、外に向けて広がっています。これからもさまざまな企画を考えているようなのでとても楽しみです。
モノではない価値を伝えたい
中島さんは、ギャラリーとして、ただ作品を展示販売するだけでなく、会期中にワークショップや対談、読書会の開催など、立体的な活動で作家と社会との接点を多くもつようにされています。作家の関心ごとには社会に役立つ視点がある、という彼女には、作家さんへのリスペクトが根底にあるといいます。
そんな中島さんだからこそ、シードペーパーのコミュニケーションの可能性をしっかりと意識されていました。
「一枚のシードペーパーだけを見て、活動の深みを知ってもらうのは難しいですよね。野口さんが知り合いだから、ということは置いておいても、ただ鑑賞するための美しい花というだけでなく、みつばちが媒介して植生が豊かになる、とか、障がい者の方が社会につながる支援とか、地域に眠っている技術や知識の活用など、そこまでちゃんと考えられていてすごいな、と思います。」
実は、シードペーパーは最初からそこまで考えていたということはなくて、「この紙はなんかすごいぞ」という漠然とした期待と予感だけがあった、という方が正しいかもしれません。
ただ、続けていくうちにさまざまなプロに出会い、共感してくださる方が増えて、ご紹介や応援を受け、日本製「花咲く和紙」が生まれた。徐々に輪郭が広がっていった。そうした活動を経て、緑や花を増やし、地域の連携が生まれ、人と人がつながる、いまの商品になっていったと思います。
単に「芽が出て花を咲かせる紙」というモノの部分ではなく、シードペーパーの背景 =そこに至るまでのストーリーに目を向けて使っていただけること。このように言葉にしてくださった中島さんに感謝です。
みつばちミックス再開の折りには、きっとGallery Pictorと中島さんの思いをサポートするショップカードをお届けいたします。
展示作品: 河本蓮大朗
会場: Gallery Pictor